6月から食料品と電気代が値上げ “夏の節電対策”で「高断熱の窓」が注目 売上げ3倍以上
6月から約3600品目の食料品が値上げとなります。さらに家庭用電気料金も値上げとなり、2000円以上も上がる地域もあります。こうした中、“夏の節電対策”として、本来は冬に売れるはずの「高断熱の窓」が注目されています。
◇
5月31日、埼玉県の激安スーパー「スーパーマルサン吉川店」では、“ある変化”が見られました。
60代
「(値上げは)どうしようもない。あきらめ、あきらめ」
60代
「皆さん、口をそろえて言うのが『どうなっていくの』って」
帝国データバンクによると、6月はアイスや調味料など、約3600品目の「食品」が値上げになります。即席麺だけでも約500品目が値上げされます。
このスーパーでは、以前は月末が近づくと値上げに備えて食品をまとめ買いする客が多くいましたが、5月31日には、毎月の“値上げの波”にとうとう“音を上げた人”の姿がありました。
50代
「もううんざりですね。その分(値上げの分)給料が上がればいいんですけど」
◇
さらに今後、家計に大きな影響を及ぼしそうなのが、大手電力7社が申請し認可された電気代の値上げです。東京電力では、260kWh/月の標準的な家庭で5月に6809円だった電気料金が、6月は7690円と881円の値上げになります。
北陸電力と沖縄電力では、2000円以上、電気料金が上がるということです。
【6月の電気料金の値上げ額】(5月と比べ)
◇北陸電力:2196円の値上げ(230kWh/月)
◇沖縄電力:2771円の値上げ(260kWh/月)
夏を前にした電気代の値上げに――
40代
「エアコンどうなるんだろうと…。これ以上、何を削っていけばいいのか」
ダイキン工業のアンケートでは、電気代の値上げを受け、この夏はエアコンの使用を控えようと思う人が6割にのぼるといいます。
それでも、電気代高騰に負けず暑い夏を乗り切ろうと、“夏の節電対策”として注目されているのが、本来なら冬に売れるはずのガラスを2重、3重にした「高断熱の窓」です。
LIXILサッシ・ドア事業部 山本英司さん
「いかにエアコンの熱をもらさないか。断熱窓に関しては、去年(の夏)と比べて3倍以上の売り上げをいただいています」
LIXILによると、1枚ガラスの窓を「高断熱」の窓に変更した場合、最大で年間2万円ほど電気代が節約できるということです。
◇
節電対策が家庭で進む一方で“交通安全”にも電気料金高騰の波が押し寄せています。
神奈川県警は、昨年度約4億6500万円だった信号機などの電気代の当初予算を、今年度は約8億3500万円に増額しました。電気代をおさえるため、信号機の“LED化”をさらに進めていくとしています。
電気代の節約に苦労しているのは、貴重な“いきもの”を飼育する水族館も同じです。
サンシャイン水族館 廣澤学さん
「こちらの大水槽、LEDランプという消費電力の少ない照明を使用しています」
今年3月に水槽の照明をLEDに交換するなど、節電対策を強化していました。“いきもの”に影響が及ばない範囲で細かく水温を調節するなど、さまざまな工夫をしています。
しかし、それでも電気代の高騰に加えてえさ代の高騰なども重なり、おとなの入場料を最大200円値上げしました。
(2400円~2600円→2600円~2800円)
サンシャイン水族館 廣澤学さん
「我々も想定以上の(電気代の)値上げ幅でございまして、経営にも影響を与えています。そのため、残念ながら3月18日に入場料の改定をさせていただきまして」
夏のレジャーシーズンを前に、電気代高騰の影響がどこまで広がるか懸念されます。