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進む食品の“国産化”への挑戦 ピスタチオにコーヒー、アボカドも… 「海外からピスタチオが届かない」約99%が輸入品

2022年6月2日 21:13
進む食品の“国産化”への挑戦 ピスタチオにコーヒー、アボカドも… 「海外からピスタチオが届かない」約99%が輸入品

私たちの食生活でお馴染みのピスタチオは約99%は輸入品で、日本ではほとんど作られていません。今、さまざまな食品で“輸入依存”から“国産化”へのシフトチェンジに向けた挑戦が始まっています。その背景には、様々な理由と夢がありました。

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神奈川県の川崎日航ホテルでは、彩り鮮やかなスイーツがショーケースに並んでいます。その中での人気者の1つ、「フレジェピスターシュ」に使われているのは、“ナッツの女王”ピスタチオです。生地にもクリームにも、たっぷりピスタチオが使われています。

川崎日航ホテル エグゼクティブシェフ パテシエ 馬場園安秀さん
「華やかさの中にも味にコクがあり、ピスタチオ独特の香りが、とてもお客様に好評があります。ずっと人気のある商品になっております」

財務省が発表した貿易統計によると、2021年の「殻なしピスタチオ」の輸入量は約1063トン。前年の約465トンから約2.3倍となるなど、ピスタチオの人気が広がっています。じつは国内で出回るのは約99%が輸入されたもので、日本ではほとんど作られていないのです。

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そんな現状から、ピンチに陥った企業が広島県福山市にありました。創業153年・老舗の豆菓子店「豆徳」では、数年前からピスタチオの販売を始めました。しかし、このコロナ禍で――

徳永製菓 上迫豊社長
「海外から来るはずのピスタチオとかナッツが、今まで普通に来ていたものが滞ったり、『商品、切れちゃうよ』ということが何度かありました」

そこで徳永製菓では、4月に新プロジェクトを始動しました。国産ピスタチオの栽培を始めたのです。場所は、瀬戸内海に浮かぶ島で、放置されていた耕作放棄地を活用し、“ピスタチオ畑”にしました。

上迫豊社長
「ナッツは特に根が浅いといいますので、台風とかが来ると倒れちゃうらしいんですよね。ですから、瀬戸内海の温暖な気候で台風が少ないのが大きなポイントになっていると思います」

収穫まではまだ数年かかるといいますが、将来は「ピスタチオを特産品にしていきたい」ということです。

上迫豊社長
「今はレモンで有名ですけど、しまなみ海道で『レモンとナッツの島々』みたいな形になると、夢があるなと」

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ほとんどが輸入品のコーヒー豆も、“国産化”への挑戦が始まっています。

コーヒーを扱うネスレ日本は、3年前から沖縄県の企業とタッグを組み、国産コーヒー豆の栽培をスタートしました。耕作放棄地や人手不足など、問題を抱える農業を盛り上げるために、プロジェクトを立ち上げました。そして、2022年の冬、初めて本格的な収穫が行われるといいます。

ネスレ日本 広報担当 小川直子さん
「(今年は)おそらく、数千杯分程度とまだ限られた数での収穫となります。1日でも早く、みなさまに飲んでもらえるようにしたいと思っています」

目指すは「沖縄産コーヒー豆で製品化」だということです。

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愛媛県では、すでに販売が始まっている“国産品”もあります。

オレンジフーズ 田那部拓さん
「愛媛県として、アボカドを産地化しようという試みをしているので」

“森のバター”アボカドも、流通する9割以上が輸入品です。

愛媛県といえばミカンでおなじみですが、温暖な気候を好むアボカドにとって、ミカンの栽培環境はピッタリだったということです。

田那部拓さん
「年々、ミカンの価格も下がってきているので、それ以外のことを考えようということで、アボカドに広げているというのはある」

現在は、東京都内にも出荷されている愛媛県産のアボカドは、海外の物と違い、輸送時間がかからないことでメリットもあるといいます。

田那部拓さん
「国産は、旬に一番おいしい時にとれるので、味はいいと思います。変な“えぐみ”が少ないかな。外国産より濃厚かなと」

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“輸入依存”から“国産化”へのシフトチェンジ。殻を破る挑戦が続いています。

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