日用品を使って「おうちでできるSDGs」
世界が、日本が、取り組む「SDGs」に「news every.」も取り組みます。「SDGs」とは「持続可能な社会をめざす開発目標」の略でつまり、「ミンナが生きやすい社会」を作ろうというものです。国連が掲げる目標は、貧困をなくすなど17あります。新型コロナウイルスで、多くの人が生き方や社会のあり方を見つめ直す中、every.では、「ミンナができること」を考えます。まずは「つくる責任、つかう責任」。日用品を使って、「おうちでできるSDGs」を取材しました。
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「news every.」鈴江奈々キャスターが訪ねたのは、東京の墨田区役所。去年春から始めた取り組みが。集められていたのは、どこの家庭でも使われるハブラシです。墨田区で去年4月から回収されたハブラシはおよそ4000本。
すみだ清掃事務所 技能主任・佐々木勲さん「だいたいこの箱で20キロ程度あるんですよ」
こうした活動を進めるのが、生活用品メーカーのライオンです。2015年から始め、全国で78万本のハブラシを回収しています。「つくる責任とつかう責任」を考え、ハブラシを生まれ変わらせているといいます。
ハブラシはまず、細かく砕かれたあと、高温で溶かされ、「ペレット」と呼ばれる粒状のプラスチックに。そしてできあがったのが――
ライオン サステナビリティ推進部・千葉智也主任部員「こちらにある植木鉢、こういったものを作っております」
なんと使い終わったハブラシが植木鉢に。この植木鉢は回収に協力してくれた小中学校などに還元されています。
鈴江キャスター「ハブラシ使い終わったものは、(年末の)掃除道具に変わったあとに捨てるという、これがリサイクルされるのは新しい流れだなと感じます」
これまで捨てていた日用品を回収するわけは?
ライオン サステナビリティ推進部・千葉主任部員「これ(ハブラシ)でも地球を汚すかもしれませんので、次の役に立つように変えていくのが、我々の使命だと思っています」
今、世界中の企業が取り組む「SDGs」。こちらのファッションブランドでは、身近なモノを洋服などにリサイクルしています。
ジャケットやニット帽は、捨てられたペットボトルが素材として使われています。そして、夏に向けてそろえたくなる色鮮やかなビーチサンダルは。
三陽商会「エコアルフ」下川雅敏企画課長「こちらはタイヤをリサイクルしたビーチサンダル」
各地から集められた廃棄タイヤ。リサイクルが難しかったというタイヤも、足元を彩るビーチサンダルに生まれ変わっていました。企業として「第二の地球はない」というメッセージがあり、Tシャツを買うと、売り上げの1割が海洋保全活動の資金になります。
三陽商会「エコアルフ」下川企画課長「楽しく着ていただいて、環境問題と向き合うように(保全活動に)参加していただけるというふうになっています」
さらに、家に眠らせたままの「コスメ」も。
鈴江キャスター「よく使う色はなくなるんですけど、なかなか使わないアイシャドー、家にもたくさん残っています」
化粧品メーカーで研究開発をしていた田中さんが去年、発売したのは、余ったコスメを生まれ変わらせる商品。アイシャドーを出し、そこに特殊な液体を数滴垂らして、10秒ほど混ぜると…眠っていたコスメが絵の具に生まれ変わりました。
株式会社モーンガータ・田中寿典社長「なかなか捨てられない化粧品をお持ちのお客様が結構いらっしゃって、また一方で、研究の過程とか製造の過程で出る大量の廃棄のコスメがあって、この色みを生かさないわけにはいかないと」
こちらでは企業で廃棄される「コスメ」を買い取り、絵の具として販売もしています。
鈴江キャスター「こういうキラキラしたラメが入っているわけではないので、普通の絵の具とまた違う魅力が出ますよね」
この“コスメ絵の具”を使って、スマホケースやアクセサリーを華やかにすることもできます。
発売当時は若い女性をターゲットにしていましたが、コロナ禍でおうち時間が増えると、商品を購入した田中さんの友人のお宅では、おうち時間での親子のお絵かきタイムに。
早乙女美羽さん「自粛期間だとマスクをするようになって(メークしないので)化粧品が余りだしたからちょうどよく」
おうちで身近なものを使って始めるSDGs。
モーンガータ・田中社長「楽しんだ積み重ねが結果的に自然な形でSDGsとか、そういった社会貢献につながるといいなと」