「処理水」海洋放出へ 風評被害の対策強化
東京電力・福島第一原発でたまり続けている「処理水」について、政府は薄めた上で海に流して処分する方針を決定しました。
事故から10年、処理水の処分方法がようやく決まりました。
菅首相「基準をはるかに上回る安全性を確保し、政府を挙げて風評対策を徹底することを前提に、海洋放出が現実的と判断し、基本方針を取りまとめました」
政府は13日午前に行われた関係閣僚会議で、処理水を海洋放出する基本方針を決定しました。福島第一原発では、放射性物質を含む汚染水が現在も毎日約140トン発生しており、処理途中の水を敷地内のタンクで保管してきました。しかし、1000基を超えるタンクも来年秋以降には満杯になるとされています。
基本方針では、処理水に残る放射性物質・トリチウムの濃度が基準値を下回るよう海水で薄めた上で、2年程度あとに海に放出する計画を正式にまとめました。
今回の決定を受け、漁業関係者は「強く抗議する」と反発しています。そこで、基本方針では、放出前後の海に含まれるトリチウムの検査や、風評被害への対策を徹底した上で、それでも被害が生じた場合には東京電力が賠償することを明記しています。
東京電力・小早川社長「復興と廃炉を両立していく、責任を果たしていくという上で、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております」
このあと、梶山経産相が福島を訪問して、県知事や漁連の幹部らに直接説明するということですが、理解してもらうことができるのか、政府や東京電力の姿勢が問われます。