コロナ禍で苦境 百貨店の“新サービス”
7日、4都府県を対象に5月31日まで緊急事態宣言が延長されることが決定しました。現在、百貨店では、緊急事態宣言が出されている地域では休業要請の対象となっています。その苦境の百貨店が打ち出した、新たなサービスを取材しました。
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5月末までに延長された緊急事態宣言。街の人が心待ちにしていたのは…
30代女性
「百貨店だからこその品ぞろえというのもありますし、(百貨店に)いけると助かります」
30代女性
「人へのプレゼントとか、百貨店で選んだりすることが多いので」
現在、休業要請の対象となっている百貨店。来週水曜日の12日からは、午後8時までの営業が可能となります。
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度重なる“宣言”で苦戦を強いられる百貨店。そんな中、東京・池袋にある「東武百貨店」では新たなコーナーを展開しています。
あさって、9日に迫る母の日。この百貨店では、休業中の売り場の“母の日のギフト”を、デパ地下に集めて販売しています。
東武百貨店・池袋本店 広報部 佐藤拓己さん
「様々なフロアの商品をこちらに集積しまして、短い時間で母の日ギフトを選べるように」
花柄の焼き目がつくホットサンドメーカーや、家族一緒にドーナツ作りを楽しめるキッチン家電など。コロナ禍でますます増えるおうち時間を充実させる商品を取りそろえました。
飲食店の時短営業が続く中、「母の日御膳」と題したお弁当も登場。エビチリなど、9種類のお総菜などが入っていて、外食しなくても、家族そろっておうちで“プチ贅沢(ぜいたく)”な気分を味わえると、売れ筋に。
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大阪・梅田に本店がある百貨店では、東京の“巣ごもり客”を狙った新戦略を打ち出しました。
阪急うめだ本店・フード新規事業開発部DM 橋本政人さん
「“ケーキを家まで持ってきてくれないか”という話が多々ございまして」
大阪で行っていた“ホールケーキ”の宅配を、先月から東京でも始めました。(配達地域は東京都の一部)
「阪急うめだ本店」では、クリスマスシーズン以外でも1日でおよそ300個を売るほど、ホールケーキは人気の商品。そこで都内の洋菓子店など、12ブランドのホールケーキを宅配するサービスに乗り出したのです。
銀座の洋菓子店では、フランスで技術を磨いたパティシエがマカロンを使ったケーキ作りの真っ最中。コロナ禍でプレゼント用のケーキを買いに来づらい人たちなどに人気だといいます。
パティスリーカメリア銀座・シェフパティシエ 遠藤泰介さん
「思ってた以上に毎日のようにケーキの予約が入ってきているので、(ケーキ宅配を)本当にやってよかったな」
この百貨店でのホールケーキの市場は、年間およそ5億円。今後は、提携する洋菓子店をさらに増やし、宅配サービスでの売り上げアップを狙うということです。
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池袋や渋谷などにある百貨店の西武。都心に出向く人が減少する中、巻き返しを狙い、4月末、新たなコンセプトの店を出店。
西武武蔵小杉ショップ 齋藤玉織店長
「家から近いお店を利用したいという“家チカ”ニーズにお応えするため、デパ地下スイーツやカタログギフトを展開しております」
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百貨店の強みをいかした新戦略でコロナに打ち勝つことができるのでしょうか。