「西武園」リニューアル 真の狙いは?
「昭和」をテーマに今年リニューアルを成功させた「西武園ゆうえんち」。その先にある真の狙いとはなにか。経営トップに直接聞きました。
たばこ屋の赤電話、野菜のたたき売りなど、「昭和」にタイムスリップしたような商店街。5月にリニューアルオープンし、連日にぎわいを見せる西武園ゆうえんちです。
このリニューアルでタッグを組んだのは、西武グループを率いる後藤高志社長と、マーケティング会社「刀」の森岡毅さん。
西武HD・後藤高志社長「僕とあなたが組んでこのプロジェクトをやるからには、失敗はできないよねと」
刀・森岡毅代表「まだ船出として成功しただけなので、本当の勝負はこれから」
森岡さんは、テーマパーク再建のプロ。西武園では、開業70年を経た施設の「古さ」を逆手にとりました。
刀・森岡毅代表「すでにあるものをいかにうまく活用できるか」「古いと言われていた(施設)が値打ちのあるアンティークに見えてくるわけです」
このリニューアル、実は西武線の中核都市・所沢の活性化プロジェクトの一環です。
西武HD・後藤高志社長「住む・働く・学ぶ・遊ぶ、生活の要素をすべてそこに集積したような形で、ベッドタウンからリビングタウンに生まれ変わらせたい」
西武線の所沢駅から都心部までは最速約20分。しかし、利用の大半は通勤客です。そこに雇用や観光の場をそろえて、利用客を今の1.5倍まで増やそうというのです。
そのための一つの柱が西武園ゆうえんち。もう一つは、埼玉西武ライオンズの球場と遊戯施設などを一体化した「ボールパーク化」。さらに所沢駅周辺では大規模な商業施設も計画しています。所沢の活性化を、日本の地域創生のモデルにすることを見据えています。
刀・森岡毅代表「一極化というのは、経済発展上、まずいんですよね。様々な魅力のある地域をつくりだすということが、日本に求められていることだと思います」
所沢から未来への挑戦が続きます。