災害時に役立つ「フェーズフリー」とは?
近年、大雨などの災害が多発していますが、9月1日は「防災の日」です。普段、利用している商品が災害時に役立つ「フェーズフリー」という考え方がいま注目され、広がりをみせています。
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「防災の日」を前に流通大手のイオンでは、8月上旬から本州・四国のおよそ300店舗で防災関連商品の売り場を拡大。
記者
「エスカレーターを上がって目の前にありますコチラ、防災の特設コーナーが展開されています」
千葉市の店舗(イオンスタイル幕張新都心)では、水を吸って5分で膨らむ「簡易土のう」など、およそ200品目を用意。中でも「マスク」や「まくら」など、30点が入った防災バッグは去年の3倍ほど用意しているといいます。
イオンリテール・ホームファッション商品部長 小河豊さん
「この2,3年は(災害に)常に備えておこうというお客さまが非常に増えてきているのは実感しております」
特に、新型コロナの感染対策から、建物に大きな損傷がなくケガなどをしていない場合は避難所に行かない、「在宅避難」という意識も高まっているといいます。
こうしたことから、日常的に非常食を食べて不足分を買い足すことも推奨されていて、常温で120日保存できる豆腐も新たに開発しました。
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一方、生活雑貨を扱う「ロフト」では、アウトドア用品を防災時に活用してもらおうとコーナーを増設。
太陽光で充電できる折り畳みランタンなど、日常の楽しみであるレジャーで使うアウトドア用品は災害時でも活用できるものも多く、「緊急時の備え」にもなるというのです。
こうした“日常生活”はもちろん、“非常時”でも役立てられるという考え方を「フェーズフリー」といいます。
例えば、ぬれた紙に書くことができるボールペンは、災害時の掲示板や伝言メモなどに使えます。
ロフト広報 田中寛子さん
「上に向けても書けますし、氷点下でも書けます。過酷な状況でも使えるボールペンとなっています」
また、通常時は夜間の屋外作業で使うことを想定しているボールペンは、ペン先が光ることで、停電した時には文章を書く手元を照らすこともできます。
ロフト広報 田中寛子さん
「日常時も使用しながら、防災時も使用できるといった考えを持っていただけることが重要だと思います」
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さらに、私たちが日常的に生活する「家」で防災を考えた住宅も登場しました。
家の一角には…
アキュラホーム・埼玉エリア営業総括 西尾正利さん
「こちらが井戸になります」
飲み水としては使えないということですが…
アキュラホーム・埼玉エリア営業総括 西尾正利さん
「災害の時には断水になりますので、トイレの水だったり、あとは物を冷やしたり、何か洗ったり、活用の方法はいろいろあるかなと」
さらに、生活に欠かせない電気も、屋根に設置された太陽光パネルが災害時でも発電してくれるため、在宅避難の時にも自宅で電気をまかなうことができます。
アキュラホーム・埼玉エリア営業総括 西尾正利さん
「もし停電が起きても、太陽光の電気で家庭の電気をまかなう」
この災害時を意識した住宅は100軒限定での販売でしたが、180件以上の問い合わせがあったといいます。
アキュラホーム・埼玉エリア営業総括 西尾正利さん
「災害時に安心して生活したい、また、なおかつ、少しでも快適にすごしたいという方が多くいらっしゃいます」
9月1日の防災の日をきっかけに、自宅の備えを見直してみてはいかがでしょうか?