3連休あけにシステム障害 50年間で初…11の金融機関で振り込みできず “給料が振り込まれない”…生活にも大きな支障
10日、三菱UFJ銀行、りそな銀行など11の金融機関で、ほかの銀行宛ての振り込みができなくなるトラブルが発生しました。10日現在、復旧のめどはたっていないということで、街では混乱もみられました。
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3連休あけの10日、各地の銀行で“混乱”が見られました。東京・銀座の銀行では、状況を説明する職員の姿が見られ、店前の張り紙には、「お振込の取扱いの停止」と大きく書かれていました。
りそな銀行に振り込みにきた客
「3連休あけ、どうしても振り込まないといけないと思って(銀行に来たのに)、聞いたことないよ」
「困るくらいなもんじゃない。こんなこと聞いたことないよ」
メガバンクの「三菱UFJ銀行」や大手の「りそな銀行」など、合計11の銀行でATMやネットバンキングでの他行への振り込みなどができなくなるトラブルが発生し、現在も完全復旧のメドがたっていないのです。
しかも、10日は通常よりも銀行取引が増える「五十日(ごとうび)」です。
経営者(50代)
「きょう、仕事の関係で10日の支払日なので、10件くらい支払いがあったんですけど、一切受けつけられないということで」
「(合計で)200万円くらいかな。ちょっと気分悪いよね。銀行の都合で払えないってことは、信用なくすわけじゃないですか」
銀行に振り込みを断られ、怒りをあらわにする経営者や、その反対に、企業から10日に振り込まれるはずの“給料が入っていなかった”、という人も続出しました。
70代アルバイト
「(給料が)入っていれば、引き出しをしたいと(思っていましたが)…入金はされていません。障害が直らない限り、お金が入らないわけだから」
警備員 50代
「(会社から)うちの方では、どうしようもないと。責任のもっていき方がわからない。生活費も家賃も払わなくちゃいけないので」
銀行のシステム障害が、生活にも大きな支障を及ぼしていました。
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原因は、どこにあるのでしょうか。
「全銀システム」に詳しい 帝京大学 経済学部 宿輪純一 教授
「全銀協が持っているシステムで、主として振り込みを担当していて、そこが止まっちゃうと、他行への振り込みができなくなる」
不具合が生じたのは、日本の金融機関をつなぐ「全銀協」のシステム、通称「全銀システム」です。
「全銀システム」の運用は、傘下の「全銀ネット」が担っていますが、3連休中に行った“中継コンピューターの切り替え作業”で不具合が発生したとみられていて、その影響で、他行へのATMの振り込みなどができなくなっているのです。
「全銀協」の関係者は、初めてのことだといいます。
全銀協の関係者
「客に影響が出るシステム障害が発生するのは、1973年の稼働以降、50年間で初めてです」
ほかの銀行関係者も専門家も、「全銀システム」では初めての大きなトラブルだと話しています。
「全銀システム」に詳しい
帝京大学 経済学部 宿輪純一 教授
「(「全銀システム」は)ほぼノーエラー・ノートラブルだった。これだけ大規模なエラーは初めて。具体的にいうと、きょう(10日)の日付が変わるまでが勝負」
全銀協は、振り込みなどができなかった銀行などに、別のシステムを利用してもうらうことで、可能な限り10日付けで処理ができるよう臨時の対応をしていますが、明日以降、完全にシステムが復旧するかは不明、としています。