オリーブオイル高騰”過去最高値”に… 飲食店は悲鳴 お中元は「油製品」が人気に
サラダやパスタに使われるオリーブオイルの値段が高騰し、取引価格が過去最高値となっています。食卓や飲食店への影響が広がっており、百貨店ではお中元にも異変が起きていました。
◇
飲食店にとって、もう何度目の値上げなのでしょうか。
えびの「アヒージョ」や魚介たっぷりの「パエリア」など、目に見えるものから見えないものまで、あらゆるスペイン料理に欠かせない「オリーブオイル」が“値上げの波”にさらされ、去年に比べ3割ほど値上がりしているというのです。
エルチリンギート 新倉孝之輔代表
「昨年度に比べたら、2~3割上がっている印象。正直、きびしいです」
それが今、“値上げの波”にさらされ、去年に比べ3割ほど値上がりしているというのです。
この飲食店では、4種類の輸入オリーブオイルを使っています。使う量は1日1リットルほどです。自慢の味を提供するため使う量を減らすわけにはいかないといいます。
エルチリンギート 新倉孝之輔代表
「オリーブオイルなしでは、(料理は)考えられない」
オリーブオイル価格高騰の背景にあるのが、去年の夏以降、スペインを襲った大規模な「干ばつ」です。水不足に陥った結果、原料となるオリーブの生産量が“半減”。
スペイン産のオリーブオイルの価格も高騰し、先月下旬時点でのスペイン産エキストラバージンオリーブオイルのヨーロッパでの取引価格は、1年前の約1.8倍と過去最高値となっています。
◇
オリーブオイルは、食卓でも“名脇役”のような存在です。都内では次のような声が聞かれました。
「普段、サラダとかパンにつけたりとか」
「 ほぼ毎日使ってますね。塩とかと一緒で“ない”と困る」
家計への影響も避けられそうにありません。都内のスーパーで価格を聞きました。
スーパーイズミ 五味衛社長
「例年よりも高くなっています。国産の方が1割、輸入に対しては3割近く上がっている。安く売りようがない」
例年と比べ、国産で1割、輸入品で3割ほど値上がりしたといいます。そのため、特売の対象になるのも数えるほどになったということです。
気になる今後の価格について、「J-オイルミルズ」の担当者は「昨年に続き今年も降水量が少ないと聞いている。今後、原料コストが上昇した場合、値上げをお願いする可能性もある」としています。去年7月に続いて値上げする可能性があるということです。
◇
一方で、以前から値上がりが伝えられてきた「サラダ油」も、価格は高止まり状態で家計を圧迫し続けています。そのせいなのか、百貨店の「お中元売り場」では、ある現象が起きていました。
記者
「油の商品を見ているお客さんがいます」
西武池袋本店では数ある商品のなかでも、油関連のギフトが今、よく売れているといいます。
客
「サラダ・トーストにさっとかけられるもの探してますけど、贈って喜んでもらえるかどうか」
価格が高い今だから、大切な“あの人”をおもい、「油製品」を選ぶ人が去年より3割ほど増加。売れ筋は、サラダ油などにオリーブオイルがセットになった詰め合わせだといいます。
そごう・西武リーシング本部 フード担当・小島裕也さん
「食用油とりわけオリーブオイルを含む油調味料のギフトが多くご用命いただいている」
先行きの見えない油の価格。今後も値上がりするかどうかは、この夏の天候などに左右されそうです。