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メルカリが先生の救世主に!?金融教育のノウハウを無償公開

2022年2月19日 17:00
メルカリが先生の救世主に!?金融教育のノウハウを無償公開
メルカリHP「mercari education」より

今年の4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げることに伴い、18歳になると、親の同意なしにクレジットカードを作ったり、ローンを組んでお金を借りたりすることが出来るようになります。

それに合わせて、4月から高校の「家庭科」の授業で、投資信託などの金融商品や資産形成の視点にも触れたカリキュラムが本格的に始まります。

しかし、学校現場ではある問題が―それは金融の専門知識を持った先生が少なく、また専門知識を付けるにも、他の授業の準備もあるため、教材作りなどに新たな時間を割くことができないとの悩みも抱えているということです。

鳴門教育大学大学院で消費者教育を研究する坂本有芳准教授は「準備が間に合っていないため、専門家が作成した教員がすぐ授業に使えるわかりやすい教材が必要」だと訴えます。

■メルカリが教材を無償で公開 学生も知りたい金融のはなし

そこで、フリマアプリを運営するメルカリは、学校の授業で教員が使える教材や指導案を無償で提供するサイト「mercari education」を公開しました。

サイトでは、対象の年齢ごとにカリキュラムがわかれていて、アクセスすると、金融の仕組みを理解するための教材がダウンロードできます。

教材は、キャッシュレス決済をする際の注意点や、クレジットカードの支払計画などを、体験型のグループワークを通して学べるようになっています。

中高生は、お金にまつわる不安を解消するための知識を得たいとメルカリは分析している。メルカリの調査によると、中高生の半数ほどは、将来のために、クレジットやローンの仕組みや、金銭トラブルの防止・対処法について学びたいと思っているとのことです。

今後、メルカリは、教育現場の意見を取り入れながら、新たな学習テーマや教材を開発するとしています。

■親としても「金融教育」はやってほしい

それでは、高校生を持つ親は「金融教育」に対してどのように考えているのでしょうか。

お金にまつわる出張授業を展開する「ファイナンシャルアカデミー」が現役高校生の親230名を対象に調査したところ、親の同意無しに18歳からローンの契約やクレジットカードの保有をすることについては、否定的な意見が大多数を占めたということです。

否定派の意見で最も多かったのが、「金銭感覚が未熟(使いすぎそう)」というものでした。

一方、肯定派は「便利、キャッシュレス社会でカードは不可欠」という意見が最も多い結果となったということです。

その反面、高校で「資産形成の授業」を受けることについて、親としては9割弱が肯定的な意見を占めています。

肯定派は「人生100年時代に、投資は不可欠な知識」「基礎知識として、知っておくべき」という意見が多かったといいます。否定派の意見では「良い面もあるが、興味本位で手を出さないか不安」との声もあったとしています。

ファイナンシャルアカデミーの講師を務める小野原薫氏によれば、「知識不足をついたお金のトラブルが多発している」として、断片的な知識だけで判断せず、情報源が確かなものか確認しつつ、同時に自分で良し悪しを判断出来る力を身につけてほしいということです。

将来、お金にまつわる失敗をして「あの時勉強しておけば良かった」と思わないためにも、高校生だけでなく、大人も、正しい金融や経済の知識を身に付けて備えることが大切です。