家庭の省エネに必見!比較しやすい新ラベル
COP26=国連気候変動枠組み条約締約国会議は、温室効果ガス削減目標をめぐり紛糾、会期を延長した。日本の掲げる目標達成には家庭での更なる省エネが不可欠だ。家電製品などの購入時に省エネ性能を比較・判断しやすくなるよう、省エネラベルの一部が新しくなった。
■我が家ならいくら?がすぐわかるラベル
この10月から売り場に登場している省エネラベルは、多段階で評価した省エネ性能が星印で示され、真ん中に1年の使用でかかる料金の目安が書かれている。温水機器につけられた省エネラベルは、これまではガス温水機器、石油温水機器、電気温水機器、それぞれが別々で、ガスの機器と電気の機器の省エネ基準をきちんと比べることができなかった。
新しい省エネラベルでは、ガス、石油、電気、のどれをエネルギーにしているかにかかわらず、横断的な評価基準で省エネ性能を比較することができる。その温水器を使えば1年間でどのくらい料金がかかるかの目安が、ひと目でわかるのだ。
また、料金は使用する地域や世帯人数によって変わるが、新しい省エネラベルにはQRコードがついていて、それを読み取るだけでリンク先から、自分の家庭でその機器を利用した場合にかかる料金をかなり正確に知ることができる。温水器を、電気にしようかガスにしようか迷った場合に大きな判断基準のひとつとなる。
■家庭部門で、省エネの2割を
日本は石炭の使用などで、COP26でも厳しい視線を向けられている。2050年のカーボンニュートラルに向けて、2030年度には2013年度と比べ温室効果ガスの排出を46%削減することを目標に掲げているが、達成は容易ではない。
製造業や運輸分野での新技術の開発や、排出削減に懸命の努力がされているが、実は、私たちの生活、家庭部門での省エネも目標達成の前提となっている。
産業・業務・家庭・運輸の4つに分かれた部門の2030年度省エネ目標で、全体の省エネの約2割は家庭部門で実現する必要がある。
照明・住宅の省エネや生活の中での省エネ努力が強く求められるが、そのうち、温水機器をエネルギー効率の高いものに変えることで家庭部門の省エネ見込みの23%分が期待されている。
今まで購入時にはっきりわからなかった製品ごとの省エネ基準がきちんと比較できるようになり、消費者の意識も高まりそうだ。
■エアコンの省エネ目標も新基準に
家庭でエネルギー消費が目立つ機器のひとつ、エアコン。経産省は来年度、家庭用エアコンの省エネ性能の目標基準を15年ぶりに改正する方針を固めた。
5年後の2027年度までに、今より3割高い省エネ性能を達成するようにメーカーに義務づける。今の目標基準は2010年度のままになっていて、いまや国内で販売されているエアコンのほぼ全機種が達成しているという。東日本大震災の影響で、目標の改正が遅れていた。
政府は、目標基準を引き上げて改めてメーカーの新たな省エネ技術開発を後押しし、家庭での省エネを進めるとともに、高性能の製品が海外での需要拡大につながることをもくろんでいる。
世界の気温上昇を抑え、地球環境を守れるかどうかは、今後10年にかかっていると言われる。政府や企業は多額のお金を使って技術開発を進めるが、私たちひとりひとりが適切な機器を選び日々省エネに心がけることも、とても大きな貢献になる。