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電力ひっ迫…なぜ?過去10年で最も厳しい

2021年12月17日 1:53
電力ひっ迫…なぜ?過去10年で最も厳しい

東京電力によりますと、電気を平均的に使っている家庭の1か月あたりの電気料金は、今年1月と12月を比べると1100円以上値上がりしています。そして、この冬は電力ひっ迫も心配されています。「過去10年で最も厳しい見通し」とされる理由とは…。

■「脱炭素」の一方で…世界的にも価格高騰する石炭

小栗泉・日本テレビ解説委員

「まず、電気料金の値上がりの背景には、中国での電力不足があります。中国政府は今、石炭の増産を急ピッチで行っていますが、それでも足りなくて、さらにヨーロッパの電力会社なども石炭を買いあさっています。そのために、世界的に値段が高くなって、日本に入ってくる石炭の値段にも影響するということです」

「一方で、電力がひっ迫する理由の一つが、火力発電から手をひく事業者が増えていることです。政府は、温暖化対策として、再生可能エネルギーには補助金をつけて、普及を推進していますが、そうなると逆に、採算が合わない火力発電所の廃止などが相次いでいまして、電力が安定的に供給されなくなるかもしれないんです」

有働由美子キャスター
「なんか脱炭素って言っているのに、やっていることが違いますし、日本でいいますと、再生可能エネルギーの利用を促進しようとした結果、電力がひっ迫するというのも、何だか、ちぐはぐだなと思いますけど」

■結局、火力発電に頼らざるを得ないのか

小栗
「どう対応するのかといいますと、やっぱり火力発電だということで、今年4月に老朽化などを理由に止めていた千葉・市原市の姉崎火力発電所5号機が来月、再稼働します」

有働
「結局、火力発電に頼らざるを得ないと」

小栗
「そういうことなんですね。国際環境経済研究所理事の竹内純子さんは、『環境一本足打法になりすぎると、安定したエネルギー供給が難しくなる危険性がある。こうしたリスク管理を政治がきちんとしないと、そのツケを国民が払うことになる』と警告しています」

■政府はちゃんと取り組めるプランを

有働
「廣瀬さんは、電力ひっ迫ということですが、ご自身で何か節電していることはありますか?」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)

「まず、コロナで自宅にいることが多くなったので、電気料金がすごく気になっています。その中で、冷蔵庫の設定温度を中から弱にするとか、あとは、クリスマスのイルミネーションライトを今年は太陽光で充電できるものを購入するとか、できる節電をちょっと頑張ってやっています」

有働
「今できる冬の節電対策ですが、環境省によりますと、『エアコンを使う時の室温の目標は20℃』、『換気もしますが、窓を閉めたらすぐカーテン』、『お風呂上がりの熱を逃さないように、もう1枚着込んだり、首筋にタオル巻く』などがおすすめだそうです」

「結局、リアルなエコというのは、私たち一人一人の取り組みにかかってきますので、政府には絵に描いた餅じゃない、ちゃんと取り組めるプランを示してほしいと思います」

(12月16日放送『news zero』より)

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