「円安でもうけたら還元を」日商会頭 「農業競争力強化を」経団連会長
1ドル=140円という大幅な円安は、企業経営や家計に大きな影響を与えている。日商の三村会頭は円安でメリットを受けた企業は日本経済に還元すべきとして具体例を挙げた。一方、経団連の十倉会長は安全保障強化の必要性を強調した。
1ドル=140円と、たった8か月の間に25円も円の価値が下落するという大幅な円安となっている。こうした状況を、経済界はじっと耐えるしかないのか?日商の三村明夫会頭は、円安でメリットを受けている企業は日本経済に還元すべきだと考えを示した。
三村会頭は6日の会見で、輸出を行っていない企業や家計にとっては、円安はコストの上昇でデメリットとなる一方、輸出関連企業など円安でメリットを受けている企業もたくさんあるとして、「本来好ましいのはメリットを受けたところがそのメリットを日本経済の中に還元させることだ」と述べた。
具体的には、(1)下請け業者などに支払う取引価格、(2)賃金、(3)設備投資、の増加を上げた。その上で、「そういう形で還元されれば円安デメリットが軽減されるが、残念ながらそういうことは(十分)なされていない」と述べた。
一方、経団連の十倉雅和会長は今の円安を受けて、「もう一度、日本のレジリエンス、強靱性について、中長期の視点でしっかり議論すべきだ」との考えを示した。
「我々円安で痛感したのは食料、エネルギーのほとんどを海外に頼っているということ。食料は6割、エネルギーは85%~90%。なんとかしなければいけないという問題はあると思う」と述べた。
エネルギー政策に加え、農業の生産性向上や競争力の強化も必要だと指摘した。