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スシロー“おとり広告”で措置命令 多数の苦情も…「期間限定すし」9割の店舗で販売せず

2022年6月10日 0:49
スシロー“おとり広告”で措置命令 多数の苦情も…「期間限定すし」9割の店舗で販売せず

回転ずしチェーン最大手「スシロー」が宣伝していた期間限定のすしを実際には販売しなかったのは「おとり広告」に該当するとして、消費者庁は運営会社に対して景品表示法に基づく措置命令を出しました。運営会社には、多数の苦情が寄せられたということです。

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脂ののったマグロやプリプリのエビがのったすしを提供するのは、全国に626店舗を展開し、10年連続で業界売り上げ1位となっている回転ずしチェーン「スシロー」です。

しかし、昨年スシローに行ったというある女性は「ちょっと許せないかな」と話しました。何があったのでしょうか。

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消費者庁と公正取引委員会は9日、大阪市内で会見を開きました。

公正取引委員会
「『スシロー』と称する回転ずし店において、提供した3種類のすし、これらの表示が一般消費者を誤認させる恐れがあり、“おとり広告”に該当する」

スシローがCMなどで宣伝していた期間限定のウニなどのすしを、実際には販売していなかったというのです。

問題となったのは、昨年9月にキャンペーンを開始したウニを使った2つの商品です。期間限定としてCMなどで広告していましたが、公正取引委員会によると、実際には全国の店舗の9割以上で売られていない日があったといいます。

スシローは「想定よりも多く売れたということで、途中で(ウニが)足りなくなり、一定期間(販売を)抑える」と公正取引委員会に理由を説明したということです。

さらに、昨年11月からキャンペーンを開始した「かにづくし」の商品について、公正取引委員会は「キャンペーン期間中を通じて、まったく提供しない店舗が続発していた。キャンペーン開始初日にも、複数の店舗でこの料理を終日提供しなかった」と指摘しました。

これについてスシローは「カニの在庫が途中でなくなってしまったため」と説明したということです。

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キャンペーン中にウニの商品を目当てに店舗に行ったという女性は、「昼に行ったらあるだろうと思って、行ったんですよ、早めに。そしたらなくて。『それを食べにきたのに~』みたいな感じですね」と話しました。

消費者庁などの資料によると、女性が行った店舗では一時、ウニの商品が販売されていませんでした。

ウニ商品を目当てに行った女性
「在庫がなくなっても、まだキャンペーンをしているということですよね。ちょっと許せないかな」

当時、スシローはホームページに「好評につき店舗により完売している場合がある」と表示しましたが、公正取引委員会は「(この表示では)本件料理が提供されていない店舗や期間を、一般消費者が認識することはできません」と指摘しました。

コロナ禍で外食産業が苦しい中でも、スシローは好調な売り上げを維持してきました。しかし昨年から、スシローを運営する「あきんどスシロー」には多数の苦情が寄せられていたということです。

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措置命令が発表された9日、スシローの利用客からは厳しい声があがりました。

――期間中に商品を提供していなかった

スシローの利用客
「えぇ!知りませんでした!だまされた。ウソつかれたってことですよね」

スシローの利用客
「子供が楽しみにしてたら、自分たちより子供の期待裏切ったら、こっちも嫌だし残念ですよね」

消費者庁は、あきんどスシローに対し「景品表示法違反」だとして、再発防止を命じました。運営会社は「今回の措置命令を真摯に受け止め、再発防止に努めてまいります」とコメントしています。

(6月9日放送『news zero』より)