最も多いのは「しょうゆスープ」のお店 ラーメン店“倒産件数”過去最多に
ラーメン店の倒産件数が、過去最多になっています。その件数を店のジャンル別にみると、1番多いのが、醤油(しょうゆ)ラーメンを主に提供するお店です。なぜ、特に醤油ラーメンのお店が厳しい状況となっているのか、醤油スープのラーメンが売りの都内のお店を取材しました。
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肌寒くなると食べたくなるのが、ラーメン。そのラーメン店の倒産件数が、過去最多となっています。今年9月までの時点で、去年1年間の件数を既に上回るほどの倒産が相次いでいるのです。(ラーメン店の倒産 今年1~9月:47件 去年:45件 東京商工リサーチ)
長引く物価高などで、年々経営が厳しくなるラーメン店。魚介や豚などからとった醤油スープのラーメンが売りの都内のお店では、いま店の経営を“あるもの”が圧迫しているといいます。
特醤油ラーメン「風は南から」 橋詰彰オーナー
「新紙幣対応で新しいもの(券売機)を購入しないといけなくなって。それもなかなかの費用した」
新紙幣対応の券売機を、約70万円で購入。ラーメン何杯分を売れば、費用を回収できるのか聞いてみました。
特醤油ラーメン「風は南から」 橋詰彰オーナー
「とりあえず1年じゃ無理ですよね。1年間で、そんなに利益が出る店だったら、こんなちっちゃい店あり得ないんで。コツコツと」
さらに年々、最低賃金が引き上がり、人件費も経営を圧迫しています。
過去最多となっているラーメン店の倒産ですが、その件数を店のジャンル別にみると、実は1番多いのが醤油ラーメンを主に提供するお店です。なぜ、特に醤油ラーメンのお店が厳しい状況となっているのでしょうか?
特醤油ラーメン「風は南から」 橋詰彰オーナー
「野菜だったり豚とか鶏とか、プラス魚介が入ってくる。材料が同じ1リットルに対しても醤油ラーメンの方がコストはかかる」
他のラーメンに比べて、多くの食材を煮込むという醤油ラーメン。その食材がどれも値上がりしています。味の決め手となる煮干しの仕入れ値は、2倍以上になっているというのです。そのため販売価格を値上げし、以前は1000円以下だった醤油ラーメンも1200円になっています。
特醤油ラーメン「風は南から」 橋詰彰オーナー
「(値上げで)正直ちょっと離れてるお客さんいます。家族とか考えると、辞めるわけにはいかない」
オーナー自らの出勤日を増やし、人件費を抑える努力をしているということです。