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ふるさと納税の返礼品…“体験型”が増加 ラジオ出演や「ご当地ヒーロー」の一員に! 寄付額は?

2022年8月8日 21:13
ふるさと納税の返礼品…“体験型”が増加 ラジオ出演や「ご当地ヒーロー」の一員に! 寄付額は?

ふるさと納税の返礼品として、その土地でのユニークな体験を提供する自治体が増えています。中には、ラジオ番組出演やご当地ヒーローとして活動できるものまで登場しています。“ヒーローになれる”という特別な体験の寄付額は?

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群馬県前橋市にある車庫に止めてあるのは、ちょっと変わった四角い電車です。94年前の昭和3年から、今もなお走り続ける上毛電気鉄道の「デハ101」です。(現在は貸し切り・イベントのみ運行。通常運行はしていません)

この電車を使い、前橋市が始めたのが、45万円の寄付で電車を貸し切りにして旅ができる“体験型”のふるさと納税です。

前橋市政策推進課 染谷綾主任
「デハ101の貸し切り体験ですね」

扇風機の奥には古びた広告、木でできたつり革など、まさにそこは昭和の世界。これまでに10組が利用しているといいます。

今年5月に利用した人は、自分が働く施設の利用者と一緒に電車を貸し切りにしました。

療育センターきぼう 関山恵理生活部長
「昭和レトロな雰囲気が漂っていて、すごくいい雰囲気でした」

ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」によると、実は、こうした体験型の返礼品を用意する自治体は年々増え続けていて、2021年は818にものぼっています。

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静岡県伊豆市では、ラジオ番組に出演できる返礼品を用意しています。

MC
「このお時間は、ふるさと納税を伊豆市にしていただいた方に、オリジナルの番組15分していただきたいと思います」

4万5000円の寄付で15分間、自分の好きな話を語れます。新型コロナウイルスで、伊豆市の観光産業は打撃を受けました。ふるさと納税を通して、町に足を運んでもらう狙いがあります。

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長崎県西海市では、無人島を貸し切りにできる返礼品が用意されています。

長崎・西海市ふるさと資源推進課 岩永葉月さん
「自然の魅力を感じられるような返礼品を出したいということで、無人島『田島』を出しました」

最大10人で利用できる1泊2日のプランは、寄付額140万円です。これまでに2組利用しているといいます。無人島の貸し切りを返礼品に出した狙いとは――

岩永さん
「今、西海市全体が人口減少、高齢化になっているので」

無人島の宿泊で西海市の魅力を感じてもらい、若者の移住につながればと話します。

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兵庫県多可町で始めたのは、“ヒーローになれる”という返礼品です。そのヒーローが、多可町のオリジナルヒーロー「タカレンジャー」です。

「ハッピーソウル! タカレンジャー!」

この特別な体験の寄付額は――

兵庫・多可町商工観光課 笹倉敏弘副課長
「100万円寄付いただきましたら、タカゴールドをご用意しています」

期間は1年間、100万円でヒーローになれるということです。

ただ、笹倉副課長は「(8年前から)まだ全然あの、お申し込みがありませんので」といいます。リーダーのレッドも「でも100万の価値はね…ありますかね?」と話します。

利用者がいない中、続ける理由とは――

笹倉副課長
「(ご当地ヒーローを)ふるさと納税の返礼品にというのは、僕が見た限りなかった。これは使えるということで」

他の自治体ではやっていない返礼品を出すことで、知名度アップを狙っているといいます。今後も値段を変えずに、利用者が現れるまで続けていくということです。