大手飲食チェーン店が“テイクアウト”を強化 コロナ5類で外出増える中での狙いは?
大手飲食チェーン店が新たな商品を打ち出すなど、テイクアウトを強化しています。新型コロナウイルスが5類となって外出が増えている今、なぜ、テイクアウトなのか。その狙いと取り組みを取材しました。
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「丸亀製麺」は、モチモチとした食感とツルツルとしたのどごしの「打ち立てめん」にこだわった、手頃な価格も魅力のうどん専門のチェーン店です。コロナ禍の2020年にテイクアウトを開始し、「うどん弁当」などを打ち出してきた「丸亀製麺」が9日、新たに“テイクアウト限定”の商品を発表しました。
丸亀製麺・代表取締役社長 山口寛さん
「“振る”うどんです。シェイクします」
食べたい時にカップを“フリフリ”するだけでうどんとつゆ、具材がちょうどよく混ざる新感覚の「シェイクうどん」です。うどん1玉入りで価格は390円からとなり、16日から販売を開始します。
何より新商品の最大の“ウリ”は、車のドリンクホルダーにもぴったりとはまるコンパクトなサイズ感です。
お客さん
「車の中や外で、テイクアウトで自由に食べられる」
外出先に手軽に持ち運べる形を意識したということです。
そして9日、このタイミングで新商品を発表したワケについて、丸亀製麺・代表取締役社長の山口寛さんは「コロナが『5類』に変わっていく中で、もっと人は外に出てくると思いますし」と話し、今後、レジャーに出掛ける人が増え、テイクアウト需要はまだまだ伸びると自信をのぞかせます。
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老舗牛丼チェーン「吉野家」もこのタイミングでテイクアウトを強化しています。ただ、それは主力の“牛”ではなく、なんと“鶏”のから揚げです。
吉野家・経営企画室 廣岡恵次室長
「牛丼に続く第2の柱として、こちらの“から揚げ”を販売していきたいと考えている」
新型コロナウイルスが「5類」へと移行した8日から、店内、テイクアウトともに、から揚げを10%値引きするキャンペーンをはじめました。(から揚げ定食・並盛り 657円→591円 ※一部販売していない店舗もあります)
牛丼チェーンなのにから揚げに力を入れる背景の1つが、から揚げは自宅で作るのは面倒な揚げ物だということです。
来店客
「(から揚げは)自宅で作ることはないですね、やっぱり面倒なので」
一方、店側にとっては、物価高の中でも鶏肉は安定して仕入れられるというメリットがあるといいます。
から揚げにかける“覚悟”は、先月の決算資料にも表れています。吉野家の決算資料には、「販売数目標200%」「から揚げを第2の柱へ」と書かれていました。
から揚げは、テイクアウトで根強い需要があると分析していました。「牛丼とから揚げの店」というイメージを前面に打ち出し、新規のお客さんを獲得していく狙いです。
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アイスクリームチェーン「サーティワンアイスクリーム」は、去年12月期に過去最高の売り上げを記録しました。その背景にあるのもテイクアウトです。
テイクアウトしたお客さん
「テイクアウトでサーティワンアイスを買いました。キャラメルとポッピングシャワーと期間限定の(味を)買いました」
これまでは期間限定だった大容量のアイスクリーム「フレッシュパックスーパー(12人分 3320円)」を9日から通年販売に切り替え、一層テイクアウトを強化しました。
さらに、数量限定の「ハピネスボックス(3300円)」にはアイスをすくう「スクープ」がセットになっていて、お客さんからは「子どもの誕生パーティーとか、そういうのあると楽しそうですよね」と、コロナ禍で我慢していた大人数のパーティーが楽しくなりそうとの声も聞かれました。
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コロナ禍で定着したテイクアウト。飲食チェーン各社が完全復活に向けた戦略を打ち出しています。