金の価格「1グラム1万円台」に迫る 買い取り増加 “銀歯”も価格上昇…売る人も
今月に入り、金の販売価格が過去最高を更新し、1グラムで1万円台に迫りつつあります。その影響はブランド品のリサイクル店にも及んでいて、金を使った指輪やネックレスなどの持ち込みが増えているといいます。中には、金が含まれている“銀歯”の買い取りを試験的に始めた店もありました。
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21日、金の大手販売店で価格を聞きました。
田中貴金属ジュエリー銀座本店 中村明生副店長
「こちら金地金1キロになります。現在の相場でおよそ980万円。ちょうど先週、為替が円安に動いてきたというところで、金相場が非常に上昇している状況にありまして」
金はここ数年、コロナ禍やウクライナ問題などをうけて価格が上がっていました。それが今、さらに上昇しているといいます。
1グラムあたりの金の販売価格は、先月、今月と増減を繰り返し、今月17日には過去最高となる9876円になりました。21日は9747円まで下がっているものの、1万円台に迫る高値の状況が続いているのです。
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その影響はブランド品のリサイクル店にも及んでいます。
ブランドオフ店舗事業部 ゼネラルアドバイザー・西部優太さん
「金製品の持ち込みですとか、それにともなったブランドジュエリーの持ち込みが非常に増えております」
これまであまり多くはなかった、金を使った指輪やネックレスなどの持ち込みが増えているといいます。
21日、店に40代の女性が訪れました。知り合いから預かったティファニーの金の指輪などを売りに来たといいます。緊張した様子で査定を待ちます。
指輪を売りに来た客
「貴金属売るのは初めてで、高く売れたらいいなと思って」
買い取りスタッフ
「右側の方(金の指輪)が2万2000円」
この結果に「すごく高いと思います。うれしいです」と話していました。
店によると、今回査定した金の指輪の金額は、10年前の2倍近くになっているといいます。
買い取りスタッフ
「10年前で1万2000円とか。今後、金が高騰すれば、もしかしたら3万円いく可能性がある」
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兵庫・神戸市にある中古品の買い取り販売を行うブックオフ三宮センター街店では、ある意外なものが買い取りの対象になっています。店を訪れた主婦に、何を持ち込んだのか聞いてみると――
主婦(50代)
「銀歯です。『どこに売ろうかな』と思っておいてたところに、ちょうどブックオフさんが買い取りしてるって」
ブックオフ三宮センター街店は、今年4月から試験的に「銀歯」の買い取りを始めたのです。(※この店舗のみ)
「銀歯」と呼ばれていますが、中には金なども含まれていて、金の相場の影響で買い取り価格も上がっているといいます。
ブックオフ三宮センター街店・ブランド買取コーナー 大八木孝久さん
「こちらの方がトータル1.8gございまして、1800円」
主婦(50代)
「これでお願いします」
銀歯を持ち込んだ主婦は査定を終え、「お小遣いになりました。家族におみやげでも買って帰ります」と笑顔を見せました。
金の価格が上昇している今、意外なお宝が家に眠っているかもしれません。