「さすがに限界」練り物にも“値上げ”の波 かまぼこに薩摩揚げも…
今、様々な食品が値上がりしていますが、その波は「かまぼこ」など練り物にも及んでいます。こうした中、練り物を扱う事業者などを取材しました。
◇
6日、神奈川・小田原市の鈴廣かまぼこの里では、親子が小田原名物「かまぼこ」と「ちくわ」作り体験をしていました。
今月からは、期間限定で「ドラゴンクエストウォーク×鈴廣かまぼこ スライムかまぼこ(メタルスライムバージョン)セット」といった変わり種のかまぼこも登場しています。
購入した客
「めずらしいし、かわいいし、子どもが好きなのでお土産に」
新型コロナウイルスの感染者数の減少にともない、観光客が戻りつつあるといいますが、いまピンチを迎えているといいます。
鈴廣かまぼこ常務取締役 鈴木智博さん
「すり身の価格の高騰が頭を悩ませている現状でございます。130パーセント価格が高騰しておりまして」
かまぼこの原材料となる魚のすり身の価格が高騰しています。この店では、主なかまぼこ1本の値段は、約1000円~1800円程度で販売していますが、現状の価格を据え置くのは限界だといいます。
鈴廣かまぼこ常務取締役 鈴木智博さん
「秋口から価格改定の検討も、今しております」
値上げに踏み切らなくてはならない背景にあるのは、主な原料となる、アメリカ産のスケソウダラのすり身の輸入価格の高騰です。この半年で、1kgあたり70円の値上がり(4月時点)と、約2割増加しているといいます。
世界的にすり身の需要が増加しているのに対し、資源保護を理由に漁獲可能な量が減少しており、今後も供給は減少する見通しだといいます。
◇
かまぼこなど練り物の値上げの波は、スーパーにも及んでいます。
信濃屋代田食品館 鈴木誠統括本部長
「各メーカーから1割、物によっては2割、3割という形で値上げの要望がきています」
原材料のすり身の値上げのほか、電気代や運賃コストなども上昇。量を減らして価格を据え置くなどの対応をしているメーカーもあるといいますが、消費者からは次のような声が聞かれました。
「困りますね。日々必ず必要じゃなくても、ずっと生活していく中で必要なので、だんだん家計に響いてくるかな」
「安価なものはそのままであってほしかったけど、調理方法とか工夫していかないといけないかな」
◇
かまぼこ以外にも、これからの季節、ビールにもピッタリの鹿児島県名産の「さつま揚げ」に値上げの動きがみられます。東京・千代田区にある鹿児島県のアンテナショップに話を聞きました。
かごしま遊楽館さつまいもの館 前園慧店長
「物流コストだったり、光熱費・諸々経費の部分が値上がりしているということで、商品の販売価格にも影響が出てきている状態です。30%ほど値上がりするメーカーもあります」
一部の商品ですでに値上げをしていて、来月にかけて値上げを予定しているものもあるということです。
前園店長は「いままで各社(価格据え置きの)努力された中で、さすがに限界が来ているのかなというのは感じています」と値上がりせざるを得ない状況を理解してほしいと話していました。