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値上げ“2万品目”超 「ゆで卵20個」「もやし」でかさ増し……子ども4人家庭の節約術 半数超の企業「電気代を価格転嫁できず」

2023年4月19日 10:31
値上げ“2万品目”超 「ゆで卵20個」「もやし」でかさ増し……子ども4人家庭の節約術 半数超の企業「電気代を価格転嫁できず」

電気代が高騰する中、「全く価格転嫁できていない」という企業は半数超に上ります。ラーメン店やゲームセンターの苦しい現場を取材しました。飲食料品の値上げは今年、2万品目超に達し、消費者は工夫を重ねています。子ども4人を育てる家庭を訪ねました。

■苦渋の決断…オープン以来初の値上げ

18日、自家製にこだわった熱々の担々麺が売りのラーメン店を訪ねました。苦渋の決断で、オープン以来初めて、この日から値上げに踏み切りました。店主は「ほぼ全ての商品を100円前後値上げしていますね」と言います。

麺やチャーシューといった材料費の値上げに加え、頭を悩ませているのが電気代の高騰です。店主は「去年と比べて1.4倍くらいになっています。正直お店が出したい値段では出せていないので。人件費も上がっていますので、個人経営者には苦しい」。

■電気代「増加した」企業は93.6%

帝国データバンクが企業に行った調査(4月、1097社が回答)によると、電気代が1年前と比べて「増加した」と答えた企業は93.6%。電気代が平均で約4割増加する中、増加分を「全く価格転嫁できていない」という企業は、半数超の57.2%に上りました。

■ゲームセンターでは電気代120%に

同じ悩みはゲームセンターでもありました。18日、約200台のゲームが並ぶ東京・新宿区の店舗を取材しました。ゲームは常時ついたままですが、「ゲーム機なので電気を入れてお客さんがすぐにプレイできる状態にしておかないといけないので…」と運営本部長。

さらに、「熱がこもるのでゲーム機自体が熱くなってしまう。エアコンやサーキュレータを回さないと、館内が地獄のように暑くなってしまいます」と言います。

営業に欠かせない電気の料金高騰で、どのような影響が生じているのでしょうか。

運営本部長
「以前(コロナ前)は高くても(電気代は月に)80万円くらい。今調べると100万円くらい」

佐藤梨那アナウンサー
「120%に増えている電気代の価格転嫁はされていますか?」

運営本部長
「『今から(ゲーム料金を)200円にします、300円にします』って言ったらお客さん自体が来なくなってしまうので、値上げは今のところしていません。電気代が上がり、従業員の生活もとなると、非常に厳しいとしか言いようがない」

■買い物客「安い野菜選んでメニューを」

その生活を悩ませているのは、電気代以外にもあります。東京・墨田区のスーパーを訪ねました。

買い物客は「焼き肉にしようかなと思って買いに来たんですけど、あんまり安くないので違うメニューにしようかなと」。飲食料品の値上げが続きます。

別の買い物客は「レタスとかほうれん草とかナスも高い。その時に安い野菜を選んで、そこからメニューを決めます。遊びに行くお金なくなりますよね。しんどいですね」と苦笑いを浮かべました。

犬と散歩中だった、生花店を経営しているという女性に話を聞きました。「段ボールも(値段が)上がっているし(花の)アレンジメントを刺している、スポンジみたいなやつも上がっています。全部上がってる」と言います。

「(犬用に)ささみとか買うと10円~20円上がってるな、3匹なので『ん~!』と思いながら、でもしょうがないみたいな」

■去年より3か月早く…値上げラッシュ

帝国データバンクによると、5月には793品目、6月には約3000品目など、今年値上げされる数は、18日までの発表で2万品目を超えました。これは去年より3か月早いペースです。

都内で4人の子どもを育てる家庭を18日夜、訪ねました。調味料などを安い時に多めに購入し、保管しています。

母親は調理について、「お買い得なスーパーのお肉も併用してメニューを考えています。(家族の人数が多いので)見た目の量とかも大事なので、卵をいっぺんに20個ゆでて、もやしとかレタスとかも、かさを増すために使っています」と話します。

光熱費なども上がる中、生活のために工夫を重ねていました。

母親
「スーパーとかに行って『あれもだめ、これもだめ』っていうのはかわいそうだなって。節約できるところは積極的に節約していきます」

(4月18日『news zero』より)