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日銀・植田総裁「2%の物価安定目標の実現に向けて注意深く進んでいくつもり」

2024年5月27日 17:57
日銀・植田総裁「2%の物価安定目標の実現に向けて注意深く進んでいくつもり」

日本銀行の植田総裁は日銀本店で開かれた「国際カンファレンス」で、政府・日銀が掲げる2%の物価安定目標について「実現に向けて注意深く進んでいくつもり」と述べ、慎重に金融政策を運営していく姿勢を強調しました。

「国際カンファレンス」は、国内外の中央銀行の幹部や経済学者などを招いておおむね毎年1回開催されていて、今年は日銀が過去の金融政策を総括する「多角的レビュー」の一環と位置づけられています。

冒頭のあいさつで、日銀の植田総裁は大規模な金融緩和策の大半を3月に終えたことを報告した上で、過去25年間の日銀の金融政策や物価について振り返りました。

植田総裁は日本が長い間、低インフレから脱却できなかった理由について、「低インフレが持続するという予想が定着したことが重要な意味を持った」と述べた上で、企業は、他社が価格を引き上げないと思うと、コストや需要に変化があっても価格や賃金を据え置くことが最善と考え、それが結果的に低インフレの定着につながった、との見方を示しました。

また3月に行った金融政策の変更を振り返り、「インフレ予想をゼロ%から押し上げることには成功したように思うが、それを今回は2%の目標値にアンカーしなければならない」と述べました。

そしてその2%の物価安定目標について、「実現に向けて注意深く進んでいくつもり」と述べ、慎重に金融政策を運営していく姿勢を強調しました。