農林中金、1兆2000億円規模の資本増強を検討 米国債など含み損受け
農林中央金庫はアメリカ国債など保有する有価証券の損失処理に伴い、1兆2000億円規模の資本増強を検討していることを明らかにしました。
農林中央金庫 奥和登理事長「(JAなどの)会員からの期待をはるかに下回っていること非常に責任を痛感している」
農林中金はJA=農業協同組合などを通じて集めた資金を農業事業者などに融資するほか、アメリカの国債を中心とした有価証券などで運用していました。
しかし、ここ数年のアメリカでの金利の上昇で債券の価格が下落し大きな含み損が発生する状況に陥っています。農林中金はこの損失の処理のために今年度の最終損益が5000億円の赤字になる見通しを発表し、それに伴い1兆2000億円規模の資本増強を検討していることを明らかにしました。
財務の健全性を確保するためとしていてJAなどの出資者と協議するということです。
国債の運用は含み損が出ていても売却せずに債券を持ち続ければ損失は発生しませんが、新たな投資も制限されることから収益の圧迫につながります。農林中金は収益性を高めるため運用を見直し、財務基盤の立て直しを図る考えです。