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家計直撃“鶏肉”値上げ 外国産も国産も 本場・イタリア産“生ハム”は…

2022年6月3日 21:53
家計直撃“鶏肉”値上げ 外国産も国産も 本場・イタリア産“生ハム”は…

トウモロコシなどの穀物価格の高騰、ウクライナ侵攻などを受けて、外国産・国産の“鶏肉の値上げ”が続いています。さらに、イタリアで発生した「アフリカ豚熱」による豚肉関連の食材の輸入停止を受けて、本場イタリア産の「生ハム」が徐々に姿を消しているということです。

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東京・葛飾区にある、町のお弁当屋さん「まんぷくや 高砂店」の不動の人気メニューは、からあげです。外は“カリッ“とし、中は“ジュワッ”。1つでもボリュームたっぷりです。この店ではブラジル産のもも肉を使っています。

まんぷくや高砂店 小坂綾佑店主
「約2倍くらいの仕入れ値、値上がりになっています」

仕入れ値が2021年8月のオープン時と比べ、倍近くになりました。

やむを得ず、4月から、からあげ100グラムを130円から150円に、5月から同じくブラジル産「もも肉」を使ったチキンステーキを180円から200円に値上げしました。

日本が輸入する鶏肉の7割以上をブラジル産が占めます。

唐揚げを購入した人
「お総菜まで(値段)上がっちゃうのは、なかなかお総菜買わなくなりそう」

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鶏肉は“国産派”という人も、決して他人事ではありません。

東京・練馬区のスーパー、アキダイ関町本店では、ブラジル産・鶏肉の価格が3か月あまりで1580円になりました。

アキダイ関町本店 秋葉弘道社長
「今年の2月くらいまでは、980円とか1080円に抑えていましたが、ここにきて一気にあがりましたね 」

それに連動して国産の需要が増え、結果として、鶏肉全体の価格が上がっているのです。

秋葉弘道社長
「あまりにブラジル産の鶏肉が高いから、国産を使うという人もいる。 国産の鶏肉も2割ぐらいあがりましたね」

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輸入鶏肉の高騰は、食卓に大きな影響を与えます。その理由について、農林水産省は、「エサとなるトウモロコシなどの穀物価格が高騰している上、ロシアとウクライナが輸出していた食肉用の鶏が侵攻の影響でストップし、これまでブラジル産を使っていなかった国が急に輸入しだしたこと」が、価格高騰の原因の1つだとしています。

また、これまでブラジル産を使っていなかった国が急に輸入しだしたことが、価格高騰の原因の1つだとしています。

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ブラジル産鶏肉の“奪い合い”が起きる一方、今、徐々に食卓から消えつつあるのが、“豚肉”を原材料とする「生ハム」です。

東京・中央区にあるイタリアンの店では、様々な料理に本場・イタリア産の生ハムを使用してきましたが――

ヤマガタ サンダンデロ 秋田和則料理長
「豚の問題が取り上げられてから、庄内豚で作った生ハムを4月の半ばから切り替えて」

家畜の伝染病「アフリカ豚熱」がイタリアで発生し、2022年1月以降、水際対策として、豚肉関連の食材の輸入がストップしました。これを機に、国産の生ハムに完全に切り替えたのです。

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この輸入停止の影響は、広がりを見せています。

ファミレスチェーン「サイゼリヤ」は、イタリアから輸入していた「熟成ミラノサラミ」の販売を5月に終了しました。また、パルマ産熟成生ハムの「プロシュート」、イタリアンソーセージ「サルシッチャのグリル」なども、在庫がなくなり次第、販売を終了します。

農林水産省によると、現時点で輸入再開のめどは立っていないということです。