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【解説】日経平均「史上最高値」なぜ? 約34年ぶり“バブル期”超え…3つのギモン

2024年2月22日 16:22
【解説】日経平均「史上最高値」なぜ? 約34年ぶり“バブル期”超え…3つのギモン

22日、日経平均株価がバブル期の1989年につけた史上最高値を更新、3万9098円68銭で取引を終えました。3つのギモンを聞いていきます。

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――まずひとつめのギモンですが、きょうの史上最高値更新はみなさんにどう受け止められているんでしょうか?

今週の株価は最高値更新直前で足踏みが続いていましたから、取引に関わる証券関係者らからは「ほっとした」という素直な感想が聞かれました。

また、前回最高値をつけたバブル期を知る世代の方々の反応は大きく2つ、「30年以上かけてようやくここまで戻ってきた」という「感慨」。もうひとつは「今回の株価もまた急に下がるんじゃないか」という「不安」です。

私も20代にバブル期を過ごした両親に話を聞いてみたんですが、「バブル崩壊で大変な目にあった人はたくさんいたし、バブルを経験した世代は、心の中にいつか株価は落ちるという黄色信号のようなものがあるんじゃないか」と話していました。

――2つめのギモン「バブル期と今の経済の違い」ですが、今回の株価上昇は、バブル景気の時とはどう違うのでしょうか?

エコノミストなど市場関係者に取材すると、「バブルの時の株価は日本企業の実力以上に上がっていたが、今は日本企業の利益の増加や業績見通しの良さに裏付けられた、ある程度地に足のついた株高だ」という分析が比較的多いです。

企業の実力と比べて株価が高すぎるかどうかを判断する指標を見ても、今の株価はだいたい日本企業の実力に沿った株価だということが裏付けられます。

ただ、以前も番組でお伝えしたように、一方で私たちの生活が良くなっているという実感はまだあまりありませんよね。企業が稼いだ利益を「賃上げ」で還元することが必要です。いま始まっている春闘、現時点で6割の企業が賃上げを検討しているという調査もありますので、去年を上回る賃上げができるかが大きなポイントです。

――そして3つめのギモンです。今後の株価は、さらに上がっていくんでしょうか。

今後ポイントになるのが「為替」です。日本銀行の金利を低く抑える政策などの影響で、いま円安が続いています。それで海外の投資家が「お買い得だな」と思って日本株を買っています。

なので、今後逆に円高が進むようなことになれば、この「割安感」が薄れ、日本株を買う勢いも落ちていく可能性があります。

では、円高を引き起こす「リスク」は何か。複数のエコノミストがリスクのひとつとして挙げるのが秋のアメリカの大統領選でのトランプ前大統領の勝利です。

市場関係者からは、「アメリカ第一主義を掲げるトランプ氏の保護主義的な政策やドル安を好む傾向は、どちらも円高や株安につながる要素だ」とか、「トランプ政権のもとで米中貿易摩擦が激化するなどして相場が不安定になれば、好調な日本株に水を差す可能性もある」といった指摘が出ています。

今後の株価の行方はこうした国際情勢にも左右されることになります。

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