そごう・西武ストライキ決行へ あす西武池袋本店が全館休業 利用者「困りました」「働く人の権利だと思う」
「そごう・西武」の労働組合が31日、ストライキを行うことを決めました。これを受け、西武池袋本店は31日に全館休業します。利用者からは「どうしましょう」など困惑の声が上がる一方、「働く人の権利だと思うので頑張って」といった声も聞かれました。“異例の事態”のきっかけは…。
◇
30日、東京・池袋駅東口にある西武池袋本店には、「全館臨時閉館」と書かれた張り紙がありました。急きょ、31日の全館休業を決めたのです。突然の発表に、足を止めて張り紙を撮影する人もいました。
30日午後、利用者に話を聞きました。
――あす臨時休業
70代
「そうそう! だから、今日来た」
毎日利用する会社員(30代)
「お弁当、牛乳とか普通の日用品とか帰り道に買ったり。どうしましょう本当に。困りました、西武さん。生活の一部なので」
20代
「この日しか行けないってなった時に『休みます』って言われたら、私たちのこと逆に考えてないのかなって」
全館休業のワケは、労働組合が決行するストライキです。
労働組合の会見(28日)
「開始日を2023年の8月31日木曜日とするストライキ権の行使ということで、通知をさせていただきました」
百貨店のストライキは61年ぶりとなる異例の事態。きっかけは、親会社による「売却計画」でした。
去年11月、親会社のセブン&アイ・ホールディンクスが、赤字が続く「そごう・西武」を海外投資ファンドに売却することを決定。この海外投資ファンドと連携している家電量販店のヨドバシホールディングスが、西武池袋本店を含む3店舗のなかに出店を計画しています。
しかし、組合側は、“計画が実現すればデパートの売り場面積が減るため、百貨店の従業員の雇用が減るのでは”と反発し、調整が難航しているのです。
西武池袋本店は、80年以上にわたって池袋を代表する百貨店の1つです。「そごう・西武」の売り上げの3割以上をになう旗艦店で、1日に来店する客は10万人から20万人。交通の便が良いことなどから、都内だけでなく、埼玉などからも多くの客が訪れていました。
以前、埼玉に住んでいた人(20代)
「埼玉で買うよりも欲しいものがそろっている。気分変えたい時に結構来て、身近な東京みたいな感じ」
また、“家電量販店が入ることで、百貨店が変わってしまうのでは”という戸惑いの声も聞かれます。
70代
「やっぱり質の高さとかサービスとかは(他には)ないもの」
「イメージがだいぶ違ってきちゃいますね、デパートの。よく利用してる者にとっては、さびしいっていう感情が一番」
それでも、ストライキについては…
70代
「ストライキっていうのは働く人の権利だと思うので、頑張ってほしい。応援してます」
ストライキによる休業は31日の1日だけの予定で、31日のストライキには、西武池袋本店の組合員約900人が参加する予定だということです。