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【解説】物価高は長引く? 「ビッグマック指数」41位“日本はまだ安い”見方も 問題は…

2023年1月11日 21:00
【解説】物価高は長引く? 「ビッグマック指数」41位“日本はまだ安い”見方も 問題は…

この年末年始にも「ものの値段が高いなぁ…」と実感した人は多いと思います。実際に東京23区の先月の物価指数は、40年ぶりの高い水準となりました。

●「こわい」街で悲鳴
●油も…“マック”も…
●いつまで続く?

以上のポイントを中心に詳しく解説します。

■「こわい…」東京23区の消費者物価指数“約40年ぶり”高水準

総務省が発表した昨年12月の東京23区の消費者物価指数は、前年の同じ月と比べて4.0%上昇しました。この4%台に乗るのは、1982年4月以来、なんと40年8か月ぶりです。これは第2次オイルショックの影響が残っていた時期だということです。

この物価上昇をどれくらい実感しているのか、街で聞いてみました。

40代
「全てが値上がりしているって感じます、あらゆるものが。節約は難しいので、収入を増やすことに力を入れています」

「卵だったり、お肉とか、魚とか、全体的に(値上がりしている)。お菓子とかも値段変わってないけど、量が少なくなってると感じる」

60代
「こわいですよね、これ以上、上がったら。お米とかどうするんだろうって」

50代
「その割には給料、全然上がらないですからね」

10代
「自分でお茶をつくって水筒に入れて持ち歩いたりして、対策を心がけています」

値上がりしているものを具体的に見ていきます。

ガス代        36.2%
電気代        26.0%
食用油        32.5%
あんパン       18.4%
炭酸飲料       15.6%
ハンバーガー(外食) 18.3%

エネルギー価格の上昇はもちろんですが、食料品の価格上昇が目立っています。

こうした中、マクドナルドがさらなる値上げに踏み切ります。SNSなどでは「悲報」という言葉さえ飛び交っていました。なんと、この1年間で3度目の値上げとなるそうです。

「ハンバーガー」       150円→170円
「マックフライポテト(M)」 290円→330円
「ビッグマック」       410円→450円

「マックシェイク」などドリンク類も値上げされます。原材料の高騰や物流費の上昇、円安による輸入コストの上昇などが理由だということです。

■物価高は当分続く? 中国「ゼロコロナ」終了で“需要”急増など…

この値上げはいつまで続くのか、みずほ証券のチーフエコノミスト・小林俊介さんに伺いました。

小林さんは「今年から来年にかけて、物価高に備えなければならない状況はまだ続く」とみていて、その理由は大きく分けて3つあるといいます。

理由(1)強制貯蓄
これまでコロナ禍で、例えばハワイなどへの海外旅行に行けなかったり、外食に行けなかったりと「所得はあるのに使う先がない」というぜいたくな悩みを持つ人たちが、一定層いるそうです。こういった経済的に余裕のある人たちが、日々の生活をグレードアップすることで、ちょっと豪華な品々、例えば、高級スーパーで売っていそうなものが飛ぶように売れているということです。そのため企業にとって値上げしやすい環境は続いているといいます。

理由(2)中国でゼロコロナ政策が終了
経済活動の再開により需要が急増し、世界的にエネルギーの奪い合いとなり、その価格がさらに上がる可能性があるということです。

理由(3)“補助金”切れ
岸田政権は今、電気やガス、ガソリンに補助金を出していますが、もしこれが終了すると、物価上昇の要因になるといいます。

まだ、この物価上昇の流れは、しばらく続く可能性があるということです。

■「ビッグマック指数」41位…日本の物価はまだ安い? 問題は賃金

日本の物価上昇について見てきましたが、世界の状況はどうなっているのでしょうか。

先ほど「ビッグマック」の値上げに触れましたが、「ビッグマック指数(BMI=Big Mac Index)」という興味深いデータがあります。世界的な経済誌「The Economist」が世界の国や地域の「ビッグマック」の価格を調べて、それをもとに物価水準を比較するものです。

これによると、今から約10年前の2011年7月は、日本のビッグマックは「320円」で、アメリカやイギリスより上でした。

43国・地域
1位・ノルウェー 約651円

15位・日本    320円
20位・イギリス  約305円
24位・アメリカ  約285円


ところが、これが最新の去年7月のデータでは、日本のビッグマックは「390円」で、順位は大きく下がりました。今後、これが「450円」に値上がりしたとしても、それほど順位は変わらないです。

53国・地域
1位・スイス   約925円

6位・アメリカ  約710円

36位・グアテマラ 約464円
38位・パキスタン 約435円
41位・日本    390円

あくまで1つの目安ですが、海外に比べれば日本の物価は“まだ、相対的には安い”という見方もできます。

小林さんも、あくまで賃金の上昇が伴うならば、「物価上昇は悪ではない」と言っています。問題は、物価だけが上がって賃金が上がらないという状況です。こうなると日本は、世界と比べて貧しくなっていってしまいます。“物価以上に賃金を上げていくということが非常に大切”だといいます。

    ◇

今年の春闘では、岸田首相が物価上昇を上回る賃上げを求めていて、大胆な賃上げ方針を表明した企業もあります。今後、さらに日本で働く人の7割を占める中小企業まで賃上げの波が届くように、政府の後押しが求められています。

(2022年1月11日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)