×

  • 日テレNEWS NNN
  • 社会
  • 2022年の日本“宇宙開発”に向けた活動をふりかえる そして新しい年の展望は

2022年の日本“宇宙開発”に向けた活動をふりかえる そして新しい年の展望は

2023年1月2日 14:00
2022年の日本“宇宙開発”に向けた活動をふりかえる そして新しい年の展望は
「5度目の宇宙飛行中の若田光一飛行士ISSから会見」

各国で宇宙開発が進む中、2022年は日本のプレゼンスが高まった年となった。我が国の宇宙関連事業や研究の1年の成果をふりかえる。

■小惑星「リュウグウ」 小さな砂から大きな発見

地球から直線距離でおよそ3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」。その地球から遠く離れた小惑星から日本の探査機「はやぶさ2」は、およそ5.4グラムのサンプル(=石や砂)を持ち帰ることに成功し、現在、JAXA(=宇宙航空研究開発機構)の研究チームなどによって、世界各国の研究機関で本格的な分析が進められている。

そうした中、2022年6月、岡山大学などの研究チームは「リュウグウ」から持ち帰ったサンプルから、生命の起源となるアミノ酸が数十種類見つかったと発表した。

これまで地上で見つかった隕石などからアミノ酸が検出された事例はあったが、隕石は地球の土や空気に触れているため、アミノ酸が宇宙由来のものか証明できていなかったという。

一方、今回は外気などに触れない形で分析までの過程を行ったことから、初めて、生命のもととなる材料が地球以外の天体に存在していたと確認されたことになるという。

研究チームは「アミノ酸などの有機物と水の存在が確認されたことで、今後、リュウグウのような小惑星と地球の生命との関係性について、より深い議論ができるようになる」としている。

また、東北大学などの研究チームは持ち帰られた「リュウグウ」のサンプルの中から、およそ46億年前のものとみられる水が、液体の状態で見つかったと発表した。

チームは、「リュウグウ」のような水や有機物などを含む小惑星が太陽系の広い範囲に分布し、これらが、かつて地球にたくさん衝突したことが、海や生命の起源に関わっている可能性を高める結果だと説明している。

岡山大学や東北大学などの研究チームのほかにも、現在、様々なチームによって分析が進められている小惑星「リュウグウ」のサンプル。今後も「はやぶさ2」が持ち帰ったおよそ5.4グラムの石や砂から、地球の成り立ちや生命の起源をひもとくヒントが見つかることが期待される。

■人類を再び月面へ…「アルテミス計画」始動

宇宙に関する研究で様々な発見がされる一方、人類を再び月に送ることを目指す国際的なプロジェクトも動き始めた。

2022年11月、NASA(=アメリカ航空宇宙局)が主導する月面探査計画「アルテミス計画」の第1段として、アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターから無人の大型ロケットが打ち上げられた。世界が注目する中、このロケットには日本の超小型無人探査機「OMOTENASHI」と月探査機「EQUULEUS」も積まれていた。

「OMOTENASHI」は重量およそ13kgの超小型探査機で日本初となる月面着陸を目指していた。しかし、打ち上げ後、ロケットから分離したのちに地上との通信が途絶え、月への着陸に必要な態勢を取れないことなどから月への着陸を断念することに。

JAXAによると原因は探査機に取り付けられた太陽電池が太陽と反対の方向を向き、十分に充電できなかったからだという。予定していた月への着陸は叶わなかったが、プロジェクトチームは復旧運用について検討と準備を進めているとしている。

一方、「EQUULEUS」は正常に動作していて、今後およそ1年半をかけ月の裏側を目指すという。

また、月面着陸を巡る日本の取り組みは民間企業にも広がっている。2022年12月、日本の民間企業「ispace」が開発した月面着陸船がアメリカのスペースX社のロケットで打ち上げられた。無人の月面着陸船には宇宙での実験で使うための次世代の電池や探査ロボットなどが積みこまれ、順調にいけば2023年4月にも月面に着陸する予定だという。

その他にも宇宙ベンチャーの「DigitalBlast」が、日本の民間企業で初めてとなる宇宙ステーションの建設計画を発表。2030年に運用を終える見通しのISS(=国際宇宙ステーション)の代わりとなることを見据え、2030年以降の完成を目指す。宇宙実験サービスや通信インフラなどを企業や研究機関などに向けて展開する予定だという。

民間が宇宙ステーションの開発をすることについて、JAXAは「民間のプレイヤーが増えることによって、新たな観点から様々な産業や取り組みなど、民間ならではの新しいアイディアが出てくると思っており非常に素晴らしいこと」と話す。また今後、民間の取り組みと連携していくことが、さらに重要になっていくとしている。

■一般公募の“宇宙飛行士“誕生

こうした将来の有人月探査などに向けて世界で様々な取り組みが進む中、JAXAは月の探査活動などを視野に、およそ13年ぶりに日本人宇宙飛行士の新規募集を実施している。

学歴や年齢は不問とするなど応募条件が緩和されたことで、過去最多の4127人の募集があった。書類選考や2度にわたる選抜試験を経て、現在は男女10人まで絞られた。内訳は男性が8人、女性が2人だという。

今後、英語の面接や体力面の適性検査などの最終選抜を経て、2023年2月末ごろ、新しい世代の宇宙飛行士となる合格者が決定する予定だ。

ルーキーの誕生が期待される中、2022年10月には宇宙飛行士の若田光一さんが日本人として最多となる5度目の宇宙飛行に向け出発した。会見では「将来の有人宇宙活動を切り開いてくださる世代のみなさんに新しい希望や夢をもってもらえるようなミッションにしたい」と語った。

また、現在行われている日本人宇宙飛行士の選抜について「若い世代の創造性を大切にし、お互い刺激しながら共同したい」として、近く誕生する新たな宇宙飛行士たちに向けて期待を寄せた。

若田さんはISSにおよそ半年間滞在し、将来の月や火星の探査計画に役立つような実験などを行う予定としている。

2023年の日本の宇宙探査や宇宙事業の取り組みに、引き続き注目していきたい。