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KDDI通信障害 ユーザーへの補償は? 緊急通報できず…他社との回線共有は?

2022年7月28日 19:30
KDDI通信障害 ユーザーへの補償は? 緊急通報できず…他社との回線共有は?

KDDIは28日、通信障害の再発防止策などをまとめた報告書を総務省に提出しました。ユーザーへの補償はどうなるのでしょうか。また、今回の通信障害で浮き彫りとなった、119番などの緊急通報も使えなかった問題について、他社との回線共有はできないのか、専門家に聞きました。

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東京・足立区で行われている訪問看護では、在宅の高齢者や介護施設からの相談を24時間体制で受け付けています。しかし、今月上旬、困ったことが起こりました。

訪問看護ステーションブロッサム 西村直之社長
「本当に非常に困り、そして不安でしたね。モノを扱っているわけでなくて、人の命を預かっているというところで」

不安の原因は、今月2日から約86時間も続いたKDDIの通信障害です。業務で使うauのスマートフォンが使えなかったのです。

西村直之社長
「8台、当社の方で準備して各スタッフに渡しているんですけども、すべてが通じないという状況でした」

さらに、電子カルテもタブレット端末で見るため、通信障害で表示しにくい状態になりました。対策として、もう1つ別の携帯回線も契約せざるを得なくなりました。

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秋葉原の中古スマホ店でも――

イオシスアキバ中央通店 菊田沙生さん
「1つで、電話番号2つ持てるって感じですね。何かあったら、切り替えて使うみたいな感じ」

1台で2つの会社の回線を切り替えられる機種や、2台目のスマホを求めるお客さんが来店しました。

菊田沙生さん
「今回のように通信障害起きてしまうと、本当にもうライフラインが止まっちゃうぐらいの影響があると思うので」

携帯電話は、生活上欠かすことができないライフラインとなっています。

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KDDIは28日、今回の通信障害の報告書を総務省に提出しました。この報告書の中で、最大3091万人以上に影響が出たと報告されました。これは通信障害として、過去最大です。

そして、注目されるのが、ユーザーに対する補償です。KDDIの約款では、24時間以上全く通信サービスが利用できない状態が続いた時に、損害を補償すると定められています。

KDDIの回線を利用しているユーザーは――

利用者
「何か少し値引いていただいたりとか」

2013年、約1か月の間に3回、合計で最大190万人に影響が出た通信障害では、KDDIは対象者に700円ずつ返金し、総額10億円規模を補償しました。

関係者によると、今回は数百万人に補償を支払う方針を固めた他に、「契約上は補償の対象外」となる人にも、おわびなどの対応を検討しています。

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そして、今回の通信障害で浮き彫りとなったのが、110番や119番などの緊急通報も使えなかった問題です。

緊急通報だけでも、NTTドコモやソフトバンクなどの他社と回線を共有できないのでしょうか。専門家に聞きました。

携帯ジャーナリスト 佐野正弘さん
「緊急通報の場合に問題になってくるのが、(電話を)かけるだけではなくて、警察や消防から呼び戻す、(通報者に)かけられる状態にしておかないといけないんです」

緊急通報の場合、通報者からの電話だけでなく、警察や消防から折り返し連絡できるようにしなければならないというルールがあります。

携帯ジャーナリスト 佐野正弘さん
「警察署や消防のインフラなんかも変えていく必要が出てきます」

他社との回線共有について、NTTドコモは「世の中の動向を踏まえて、今後、総務省や他事業者と考えていく」、ソフトバンクは「公の場で議論になった場合には、積極的に参加していく」と積極的な姿勢を示しています。

KDDIは29日に記者会見を開き、障害の原因や影響範囲、再発防止策について説明するとしています。

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