郡山市中心部の住宅地1平方メートルあたり13万6千円 福島県内の土地価格二極化へ
国は3月18日、土地取引の目安となる土地の価格を発表しました。
福島県内の都市部では5千万円クラスの建売住宅でも取り引きが活発で、価格が上昇しています。
その波は、都市周辺のベットタウンにも広がっていました。
郡山駅から車で10分。
郡山市麓山にあるアトラスハウスのモデルルームです。
落ち着いた木目調の内装と間接照明が高級感を演出する2階建ての3LDKはファミリー向けの物件です。
■井上朔実記者
「販売価格は?」
■アトラスハウス 佐々木晴元代表取締役
「こちらの建物だと5180万円。それでもこの地域ではまだお安い方かなと思ってます」
立地条件も良く 販売価格は5千万円超。買うのに、ちょっと身構えてしまう価格ですが…。
■佐々木晴元代表取締役
「こちら商談中となっています。郡山の中心地、特にこの辺(麓山)はほとんど土地が無い状態なので土地が売りに出たらすぐ問い合わせが殺到する状況」
この言葉通り郡山市の中心部の土地は取り引きが活発で価格は右肩上がりです。
国が3月18日きに発表した「公示地価」によりますと、郡山市の住宅地の地価は1平方メートルあたり平均で6万5千円あまりと11年連続で上昇しています。
福島県内平均が3万7千円あまりであることを考えると、その差は歴然です。
■加藤さわリポート
「郡山駅から1キロほどにあるこの場所は商業地や学校、病院なども近く立地が良いことから住宅用として人気が高く地価も上がっています。最近は続々とアパートも立ってきています」
福島県内の住宅地で土地の価格が最も高かったのも
土地に加え、資材価格の高騰で住宅の建築費も上がっていて、それらを合わせれば、まさに高額物件となりますが、それでも需要はあるそうです。地価上昇の勢いはこのところ周辺の土地にも波及しています。
中心地の土地が高く「手が出せない」という人は郊外へシフトしていきます。
需要が高まれば価格も上がるもの。郡山市日和田町は6万1300円前の年からの上昇率が8.9%となり福島県内最大の伸び率に。
それでも高いとなれば、周辺市町村に需要が集まります。郡山市のベッドタウンともいえる三春町や須賀川市、さらには鏡石町などでも土地の価格が上昇しています。
ただ、これが各地で広がっているかと言えば、そうではないようです。
■福島県不動産鑑定士協会の石田 英之 副会長
「格差というか、上昇している町村と下落している町村とで分かれてきたなという印象ですね」
猪苗代町や南会津町、会津美里町など会津の山間部では地価の下落が続いています。少子高齢化や人口減少など理由はさまざまですが地価下落を逆転させる「好材料」もなく、都市部との二極化がより一層強まっています。
マイホームは一生で一番大きな買い物といいますが、その大きさは年々膨らんでいるようです。
中心市街地の土地はどうしてここまで高くなっているんでしょうか。
もちろん立地が良いということもありますが、こんな要因もあるそうなんです。
今回地価の鑑定にあたった石田さんに話を聞きました。
中心部の土地というのは土地だけ分譲されるというよりたいていは建物とセットで分譲されます。
建物つまり家というのは昨今の建築資材の高騰で建築費が上がっています。
そのうえVTRにもあったように中心部は売りに出す土地が本当に少ないので、狭い面積で売りに出されるケースがあります。
土地そのものも高くなっていますが上物も合わせると、結果として「高額物件」になり、土地もその分「割高」になっているということです。
5千万円クラスの物件と言うのは、どういう層に需要があるのか…「狭い」というのが1つのポイントになっています。
石田さんによりますと、最近は少子高齢化で世帯人数も少なくなっているので小さな家は人気が高いそうなんです。
具体的にはパワーカップル、共働き夫婦で一定の収入がある層。
高齢者のセカンドライフとして中心部の家を買うケースもあるそうで、徒歩圏内に商業施設や病院、役所もある中心部は人気だそうです。
地価からも世相が見えてきそうです。