タクシードライバーの女子会「駐車場を明るく」「休みが取りにくい」長く働ける職場づくり 福岡
運送業界でドライバー不足が課題となる中、女性が働きやすい環境作りを進めようという取り組みが進められています。北九州市では、現役のタクシーの女性ドライバーらの意見を聞く“女子会”が開かれました。
■重信奈央記者
「女性同士の楽しそうな会話が聞こえてきます。こちらでは女性ドライバーと求職者などによるグループディスカッションが行われています。」
今週火曜日、北九州市に本社を置き全国で8000台以上のタクシーを保有する業界最大手の第一交通産業が企画した“女子会”が開かれました。
参加したのは、第一交通産業グループの営業所に勤務する19人の女性ドライバーや、タクシードライバーになることを検討している女性たちです。
女性ドライバーからの意見を、雇用や環境整備に役立てようと企画されました。
参加者によるグループディスカッションでテーマになったのは「仕事の楽しみ」についてです。
■ドライバー
「だいたい(乗客から)話しかけてくださる。年代問わずいろんな話ができますもんね。」
乗客との会話が楽しいと話すのは、第一交通・小倉営業所に勤務する金高美保子さん(46)です。入社7年目の金高さんは“ある理由”で、第一交通を就職先に選びました。
■第一交通ドライバー・金高美保子さん
「子どもが小さかったので、託児所があるというのがまず一番で。」
第一交通産業は20年前から北九州市内で託児所を運営していて、グループの社員は子どもを預けることができます。
■金高さん
「週休2日制です。子どもの学校の休みと同じ休みになるので、どこかに連れて行ってあげられたり、とても助かっています。」
女性ドライバーは平日午前8時から午後5時までの日中のみのシフトを選ぶことが可能で、土日に休むことができます。金高さんは夫の出張が多く、週末に休めることで2人の子どもと外出できるなど、家庭と仕事の両立ができていると話します。
第一交通産業が女性にとって働きやすい環境作りに力を注ぐのにはわけがあります。
■第一交通産業グループ北九州地区・池田正則社長
「いま世の中で叫ばれているタクシー不足。これの改善に向けて女性ドライバーをいかに増やしていくか。」
九州運輸局によりますと、コロナ禍の離職や高齢化などを背景に、全国のタクシードライバーはここ5年間で6万人以上減っています。
今回の女子会では女性ドライバーから、次々と要望が出ました。
■ドライバー
「駐車場が暗いので明るくしてほしい。」
「病児保育があれば子育てしている女性は助かるのではないか。」
「日焼けが気になるので、できればUVカットを施した窓ガラスを。」
「女性特有の体調不良の時の休みがなかなか取りにくい。申告しにくい。」
第一交通産業では、女性ならではの視点や要望を実現していくことで、新たな女性ドライバーの確保につなげるだけでなく、より長く働ける職場にしていきたいとしています。
第一交通産業は国土交通省から2016年に「女性ドライバー応援企業」に認定されています。国土交通省によりますと、福岡県内で認定を受けている企業は対象となるタクシー・ハイヤー事業者251社のうち66社で、3割に満たないということです。