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「暮らし続けられるまちに」自動運転バスの実証実験が始まる 高齢化と運転手不足の解決なるか 福岡

2025年2月13日 18:40
「暮らし続けられるまちに」自動運転バスの実証実験が始まる 高齢化と運転手不足の解決なるか 福岡

福岡県宗像市で13日から、自動運転バスの実証実験が始まりました。高齢化が深刻となるまちで、将来の公共交通機関として期待が寄せられています。

宗像市の自由ヶ丘地区を走る1台のバス。正面には「自動運転実証実験中」と表示されています。

■吉村史織アナウンサー
「自動運転のバスです。一般的なバスと違うのは、下の部分にセンサーのようなものがついていて、フロントガラスの上にはカメラがついています。」

宗像市で始まった自動運転バスの実証実験は「自由ヶ丘地区コミュニティ・センター」と「JR赤間駅南口」の間のおよそ2キロを1日5往復します。

今回の実証実験を広く知ってもらおうと、一般の人も無料で乗車できます。

車内の電光掲示板に「手動運転」と表示されているときは、人の手で運転されています。その表示が消えると、運転士が手を離しているのにハンドルがくるくると回り、バスが左折しました。

■乗客
「時々ブレーキが割と強くかかるんだなと思って。」

今回の実証実験は6つに分かれている自動運転レベルのうち、運転手が運行の責任を負う「レベル2」です。市は実証実験を重ね、2027年度中の運用開始を目指しています。

さらに将来的には「レベル4」=「走行場所などの特定条件の下で運転手を必要としない完全自動運転」を目指すということです。

■宗像市 都市再生課・内田忠治 課長
「人の判断と機械の判断が違うところもあり、そういうところも今後の課題として解決していかないといけないと考えています。」

実証実験が行われている宗像市の自由ヶ丘地区は、住民の3割以上が高齢者です。

自動運転バスが走行した区間は、コロナ禍前までは1日200本以上の路線バスが走っていたということですが、住民の高齢化や人口減少が進み利用者は減少しました。それに合わせて路線バスも減便し、現在は1日に170本程度となっています。

■内田課長
「バスの運転手不足というのが、かなり宗像市でも影響を受けていまして、今後はこういう運転手がいなくても走れるようなバスを運行しながら、持続可能な公共交通を維持したいと思います。」

市は、高齢化が深刻な中、「自家用車に頼らず暮らし続けられるまち」を掲げ、さらに自動運転を導入することで、社会問題化している「人材不足」の課題解消も目指しています。

■体験した人
「スピードがもうちょっと遅いと思っていたけれど、自分のリズムに合ったというか、まぁまぁでした。免許返納を予定しているから、助かるんじゃないかなと思っています。」
「未来の乗り物ということでドキドキして不安があったが、乗ってみたら普通でした。ブレーキが、ドライバーの運転時よりも多いかなという感想はありました。」

自動運転バスの実証実験は13日から、日曜日を除いた5日間行われます。

最終更新日:2025年2月13日 18:40
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