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【半年ぶりのラッシュ】2911の食品が値上げ 新米は流通が始まる 小売店は5キロ→10キロに購入制限を緩和 JA「価格転嫁に理解を」 福岡

2024年10月1日 18:14
【半年ぶりのラッシュ】2911の食品が値上げ 新米は流通が始まる 小売店は5キロ→10キロに購入制限を緩和 JA「価格転嫁に理解を」 福岡
新米の流通始まる

10月に入りましたが、まさに値上げの秋となりました。帝国データバンクによりますと、2911の食品が値上げされ、品目数としてはことし最も多くなっています。

例えば、ハム・ソーセージで最大20%程度、食用油で4~7%、そして「うまい棒」は税抜き12円から3円上がって15円になります。この値上げの波の中、高騰していたおコメは新米の流通が始まったことで、価格に変化が起きそうです。

1日午前、福岡県嘉麻市では。

■中村安里アナウンサー
「こちらの田んぼには、一面に稲穂が実っています。収穫作業が始まりました。」

去年の記録的な猛暑の影響による不作や、インバウンドによる需要増加などで品薄となり、価格が急騰したおコメ。各地で収穫の時期を迎え、新米の流通が始まっています。新米で握ったおにぎりのお味は。

■中村アナウンサー
「うん、一粒一粒がしっかりとしていて、かめばかむほど甘みが出てきます。」

品薄が続く中、待ちに待った新米の流通。福岡市南区のコメの小売店を訪ねると、入り口には購入制限を知らせる張り紙がありました。

■永易友希記者
「どんなコメが並んでいるんでしょうか。」
■米のしんかい・みのりや 新飼哲哉社長
「ことしの新米が並び始めています。」

こちらの店では、仕入れが安定しなかったため、ことし7月から1家庭5キロまでに販売を制限していました。新米の入荷が始まったことで、9月30日から一部の品種を除き、1家庭10キロまでに制限を緩和しました。しかし、例年であれば新米と古米合わせて20品種ほどが店頭に並ぶといいますが、この日、並んでいたのは9品種でした。

■新飼社長
「コメ不足のあおりというか、収穫された新米を業者間で多少 “奪い合って”というところが起きていたりして。安定的にコメを供給するという役目を考えると、緩和というところでとどめているのが現状です。」

新米の入荷量は例年のおよそ7割にとどまっていて、価格は去年の同じ時期と比べて30%から40%値上がりしています。

■買い物客
「ギリギリいっぱいですよ。年金だけだから。でもコメは買わないとね。高値でも必要なものだから買わ ざるを得ないですよね 。」

こちらの店では今後、新米の供給が安定するとみて、10月末をメドに、すべての購入制限をなくす予定だということです。

JA福岡中央会は1日午後の会見で今後、コメの価格は落ち着くとの見通しを示しました。

■JAふくおか嘉穂・畠中和好専務理事
「今後、新米が出回ってくればコメの価格も落ち着いてくるのではないかなと思っています。」

現状では、“コメ不足”で価格が高騰したことが出始めの新米にも影響しているということですが、流通が進み、10月末には値下がりするとみています。

農林水産省の発表によりますと、ことし8月15日時点で、作付面積の大きい地域でコメの生育が順調に進んでいて、生産量は全国ベースで「増産」となる見通しだということです。

その一方で、JA福岡中央会は、肥料や燃料費などが高騰していることから、価格転嫁について消費者側に理解を求めました。

■JA福岡中央会・乗富幸雄会長
「今の価格では到底、話にならないわけです。赤字だから後継者が育たない。子どもがいても、東京・大阪に働きに行くという現状ですから。まずは価格を上げる、そういうことをやらなければいけないと思います。」

新米の流通により価格は落ち着く見通しですが、生産者側にのしかかる物価高や賃上げは、依然として課題となっています。

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