セイコガニ・金箔ソフト・富山ブラック「おいだすばせ!北陸展」能登半島地震で被災した店は九州とのコラボメニューを開発 福岡
福岡市のデパートで26日から、北陸4県のグルメなどを集めた「北陸展」が始まりました。能登半島地震から1年。いまだ地震前の状況には戻っていない中で「元気な姿を見せたい」と、福岡への出店を決めた店主の思いを追いました。
メスの子持ちズワイガニ「セイコガニ」をたっぷり乗せたカニ寿司に、石川県金沢市の名産、きらびやかな金箔(きんぱく)をあしらった「金箔ソフト」。
福岡市の大丸福岡天神店で始まったのは、北陸4県のグルメや伝統工芸品を集めた「おいだすばせ(いらっしゃいませ)!北陸展」です。53店舗が出店しています。
富山県からやってきたのは「麺家いろは」です。黒いスープが特徴の、富山のご当地醤油ラーメン「富山ブラック」をいただきました。
■中村安里アナウンサー
「スープはコクがあるのですが、意外とあっさりしています。魚介のうま味を感じるスープです。コシのある麺がスープと絡まりあっておいしいです。」
会場には、2024年1月の能登半島地震で大規模な火災が発生した「輪島朝市」からの出店もありました。
■訪れた人
「直接応援に行けない分、こういうところで貢献したいと思います。」
大丸福岡天神店が北陸展を開催するのは初めてです。
■大丸福岡天神店 食品担当・大場智基さん
「石川県をはじめ、震災の復興、元気に頑張っている北陸の皆さんを紹介したいという思いで開催しています。」
1月、出店する店舗とオンラインでの打ち合わせが行われていました。
■大場さん
「きょうもよろしくお願いします。」
■和栗白露 店主・坂本太朗さん
「よろしくお願いします。」
石川県金沢市の和栗専門カフェ「和栗白露」の坂本さんは、福岡での催事への出店は初めてです。出身地である能登(のと)のクリを使ったモンブランを看板メニューに、2020年に店をオープンしました。しかし、2024年1月、最大震度7の揺れを観測した能登半島地震が発生しました。
■坂本さん
「地震の後は誰も金沢に来なかったです。経済面ですごく大打撃があったと思います。」
金沢市内の店舗は、崩れた壁を修復して営業できるようになりましたが、契約していた能登のクリ農家の作業所が被災しました。さらに、2024年9月の豪雨で農園自体も被害に遭いました。地元・能登のクリは収穫できない中ですが、こだわりのスイーツを九州でも知ってほしいと、今回の出店を決めました。
■大丸福岡天神店・大場さん
「何か気になるところはありますか。」
■和栗白露・坂本さん
「そうですね、ちょっと何かこういうのができたらいいなって。今更なのですが。コラボじゃないですが、福岡の物が使えたらいいなと思って。」
■大丸福岡天神店スタッフ
「例えばイチゴとかですか。」
■坂本さん
「そうです。」
収穫できなかった能登のクリの代わりに、今回は九州の食材を生かすことになりました。
■坂本さん
「能登、石川、福岡でも、本当の誇る食材・素材があると思うので、そういう光るものを心に残したい。」
そして、迎えた26日、「北陸展」には初日から多くの人が訪れていました。
今回のために準備したモンブランのパフェには、坂本さんが厳選した、熊本県の「美玖里(みくり)」というクリと、久留米市の農園で育った「あまおう」をふんだんに使用しました。金沢の人気スイーツと九州の食材がコラボした特別メニューです。
■中村アナウンサー
「まず和栗の強い香りを感じて、その後にイチゴの甘酸っぱさが広がります。中にメレンゲが入っているので、サクッとした食感まで楽しめます。」
■坂本さん
「普段は(福岡には)来ないので、この機会に今だけの商品を楽しんでほしい。変わらずに応援していただけるように活動しますので、これからも注目していただきたいと思います。」
北陸の魅力が詰まったこのイベントは、3月3日まで大丸福岡天神店で開かれています。