【記者解説】対象は高校生の"保護者" 熊本市で就活セミナー その背景は
売り手市場が続く中、熊本市で高校生の保護者に向けた就職活動セミナーが開かれました。
2月8日、熊本市で開かれた就職セミナー。参加したのは就職活動を控える高校生の保護者約100人です。保護者にも子どもの就職先や採用について知ってもらおうと熊本県経営者協会が初めて開いたもので、参加した保護者は地元の企業などから事業内容などの説明を受けていました。
熊本労働局によりますと、去年12月時点の高校生の県内の求人倍率は4.16倍と過去最高の数値になりました。一方で、中には就職して間もない段階で離職する人もいて、セミナーを開いた県経営者協会は、保護者にも子どもの就職活動に関わってほしいと話しています。
■熊本県経営者協会 岩永秀則専務理事
「保護者、それから子どもが一緒になっていろいろ話をしながら、どういう業態が合っているかというのは保護者も心配だと思うので、できるだけ間違いのないような就職ができればなと考えています」
【記者解説】
(緒方太郎キャスター)
ここからは、取材した須﨑湧貴記者とお伝えします。保護者向けの説明会は、珍しい印象ですよね?
(洲﨑湧貴記者)
そうですね。一番の目的は、就職した後のミスマッチを減らすことです。熊本労働局によりますと、2021年に高校を卒業して就職した人のうち、3年以内の離職率は38.4%です。
(緒方太郎キャスター)
3人に1人以上ですから、高い割合に見えますよね。
(洲﨑湧貴記者)
私もそう感じていたんですが、以前は3年以内の離職率が5割を超えた時期もありました(2012年)。就職説明会の効果などもあって、これでも低くなってきています。最近は、内定を出した学生の親に企業が同意の確認を取る「オヤカク」という言葉も定着していて、高卒でも大卒でも、保護者の意向が重要視されています。
(緒方太郎キャスター)
熊本労働局によりますと、去年12月時点の高校生の県内求人倍率は4.16倍で、これまでで最も高いんですよね。
(洲﨑湧貴記者)
そうですね。就職を希望する生徒1人に4件以上の求人があるということになりますので、たくさんの選択肢に迷うことも多いと思います。高校生はこれから社会経験を積んでいく年齢ですので、ミスマッチを減らすための保護者向けの説明会は、今後も広がっていきそうです。