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【記者解説】日医工の経営再建の現状や業界再編の今後は

2024年7月23日 19:46
【記者解説】日医工の経営再建の現状や業界再編の今後は

上野キャスター)経営再建中の日医工の決算について岡田記者と解説します。3期ぶりの黒字決算となりました。

岡田記者)140億円の赤字となった2022年3月期を底に、24年3月期で黒字となり、V字回復傾向にあるといえます。今期は65億円の黒字を見込んでいます。

22年3月期に赤字となった背景を改めて振り返ります。

ジェネリックの使用を促進する国の政策を追い風に、急激な成長を続けた日医工。

2010年には売上高でジェネリック医薬品メーカー国内トップに躍り出ますが、製造現場は企業の成長スピードに追いついていませんでした。

当時の田村社長「現場に無理をさせすぎました。成長のスピードに品質管理体制および教育のスピードが対応できていませんでした」

不正製造は、長年「組織ぐるみ」で続けていたことが発覚。

採算悪化に陥り、自立再建が難しくなった日医工は2023年に上場廃止。経営陣から創業家が姿を消し、投資ファンドなどによる新会社の子会社として経営再建への取り組みを進めています。

上野)これから1年4か月あまり経過しましたが、経営再建は計画通りといえるのでしょうか。

岡田)V字回復傾向にはありますが、今回明らかになったのは国内事業のみで、全容が明らかになってはいません。

現在の岩本社長は23日、製造におけるコスト削減のほか、社員の頑張りを強調しました。この1年間で社員と対話を重ね、企業風土や社員の意識改革を進めてきたとしています。

ただ、経営再建中に金融機関から期待されている数字には及ばなかったことも明らかにしました。

上野)ジェネリック医薬品業界では、この問題をきっかけに、供給不安が長期化していますが。

岡田)厚生労働省は、近年相次いだ不正製造などの問題はあくまできっかけに過ぎず、産業構造上の問題だと指摘しています。

武見厚生労働相は、将来的にはこれまでのようなビジネスモデルは成り立たず、後発医薬品業界の再編は待ったなしだとして「5年程度の期間の中で構造改革を強力に進める」としました。

この要望があったとき、日医工の岩本社長は「積極的に取り組みたい」と話していました。

23日の報道各社との懇談で、岩本社長は大阪市に本社を置く共和薬品工業と再編をベースに両社で協議を進めていると明らかにしました。

また、その他の企業とも連携し、再編に前向きに取り組む考えを示しました。

岩本社長は再編などの話がある中で「良いリーダーをもっているかが成長のカギ」だとして、人材育成に力を入れていくとしています。

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