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合併に向けた協議を発表した荘内銀行 「地域と共に成長を」松田頭取に今後の経営戦略を聞く

2024年1月31日 18:26
合併に向けた協議を発表した荘内銀行 「地域と共に成長を」松田頭取に今後の経営戦略を聞く

YBCでは、地域産業を支える山形県内地銀3行のトップインタビューをシリーズでお伝えしています。2回目はこのほど、合併に向けた協議を発表した荘内銀行の松田正彦頭取です。合併を巡る考え方、さらに今後の経営戦略を聞きました。

1月25日、県内金融界を揺るがすビッグニュースが発表されました。

フィデアホールディングス新野正博社長「荘内銀行と北都銀行の合併に向けた協議を進めていくことを決議しました」

山形・秋田両県の2つの銀行が2026年度中に1つの銀行として合併するというもの。合併が実現すれば、東北で初めて県境をまたいだ広域の銀行が誕生します。荘内銀行のトップ、松田正彦頭取も記者会見に臨み、この意義を説明しました。

荘内銀行松田正彦頭取「両行が名実ともに1つとなれば、各行が持っている経験値や強みがもう一段深いところで融合するとともに、もっと高いところで化学反応を起こすものと期待している」

松田頭取が頭取に就任したのはおととし4月。荘内銀行の生え抜きとして経営の中枢に近い部署を長期にわたり経験してきました。

「ぜひこの総会・懇親会が皆様にとりまして、良き出会いの場、良き情報交換の場になるよう」

頭取に就任後、特に力を入れたのが取り引き先とのコミュニケーションです。取引先企業との会合にも積極的に出席し、顧客との信頼関係強化を改めて鮮明にしています。
会合に参加した山形市の金型メーカーは新型コロナが拡大した時期に、不足気味だったマスクの製造も手掛けました。資金繰りなどといった金銭的な部分にとどまらず、経営の相談相手、パートナーとして信頼を構築しています。

高橋型精高橋光広社長「お金の貸し借り以外のことの方が、ずっとウェイトが大きい。相談するといろいろな方向性が明確に出てくる。自分で考えていたことを荘内銀行に話をすると確認ができる。確かな経営の方向性が出てくる」

YBCは、合併協議の発表に先立ち1月22日、松田頭取に単独インタビューしました。新型コロナが5類に移行し日常が戻りつつある中、銀行を取り巻く経営環境について聞きました。

荘内銀行松田正彦頭取「(Q経営環境は?)なかなか不透明な時期。これからの見通しが立てられないような経済環境」

「(コロナで打撃を受けた産業への対応は?)新型コロナで難しい局面になっているのは、観光業や飲食業。一先一先の資金繰りや悩みもあるが、地域全体もしくは商店街全体としてどんなことができるか話し合うことが大事になってくる」

数ある経営戦略の中で注目したのが、遊佐町沖の洋上風力発電事業への参画です。

荘内銀行松田正彦頭取「1か所の洋上事業プロジェクトが2500から3000億円規模でスタートをする。開発期間には作業をする人や県内だけでなく国内外からいろいろな人が出入りする。地元の方々と一緒に考え、1つでも2つでも地域の波及効果として抽出できるようなことを仕掛けられないのかも重要」

一方、県内企業が主に取り引きする金融機関、いわゆるメインバンクのシェアは、帝国データバンク山形支店によりますと県内トップは山形銀行で5656社、34・37%、次いできらやか銀行が3811社、23・16%と続き、荘内銀行は3029社、18・41%で3番目となっています。今後のシェア拡大をどう考えるのか質問すると。

荘内銀行松田正彦頭取「お客様を一番大事にする銀行、もしくは行員1人1人でありたい、あってほしい。その中で結果としてシェア拡大などが結果として出てくる」

北都銀行との合併に向けて、「荘内銀行」という名前を残すかどうか、記者会見で「0の状態で協議を進めていく」と語った松田頭取。一方、今後も変わらない経営への考え方を述べました。

荘内銀行松田正彦頭取「目指すのは地域のために地域と共に成長する銀行。広域地方銀行です。この地元ファーストの基本姿勢は今後も変わることではない」

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