×

27日新頭取に就任 きらやか銀行西塚英樹取締役に聞く 「組織風土改革に向けたプロジェクトチームを」

2024年9月26日 18:35
27日新頭取に就任 きらやか銀行西塚英樹取締役に聞く 「組織風土改革に向けたプロジェクトチームを」

ことし3月期の決算で過去最大の赤字を計上した山形市のきらやか銀行。経営再建を託されたのが27日、新たな頭取に就任する予定の西塚英樹取締役です。YBCの単独インタビューに応じ、全ての行員からメンバーを募集し、組織風土改革に向けたプロジェクトチームを立ち上げることを明らかにしました。

きらやか銀行の西塚英樹取締役(52)です。27日、親会社であるじもとホールディングスの株主総会での承認を得て、きらやか銀行の新たな頭取に就任する予定です。

きらやか銀行新頭取に就任する西塚英樹取締役「責任の重さをひしひしと感じているのが正直なところ」

しかしきらやか銀行をめぐる状況は厳しいものがあります。ことし3月期の決算が過去最大の244億円の赤字となり、2年連続で大幅な赤字を計上しています。この影響で、公的資金注入に伴って国に発行した「優先株」への配当ができず、実質的に国の管理下に入っています。
さらに、銀行には2009年以降、合わせて480億円の公的資金が注入されていますが、このうち、9月末が返済期限となっていた200億円の返済が困難に。返済期限を13年後まで延長することが9月、金融庁に承認されました。
国に提出した経営強化計画では、資本金の取り崩しなどを行い来年3月期の決算で純利益1億円を確保した上で、その後は業績の回復により継続的に黒字を計上する予定です。そして、2048年までに480億円の公的資金をすべて返済する計画です。

西塚英樹取締役「計画について妥当性、蓋然性を認めていただいたことは真摯に受け止めたいし、その計画の達成に向けて全力で業務に邁進していきたい」

また、現在、無配当の「優先株」も含めた株式への配当について、来年3月期以降に復活させることを前提としています。
計画の着実な実行と業績の回復に向け何を行うのでしょうか。
大幅な赤字の原因となったのが、取引先の業績の悪化が判明し、倒産に備えて計上する「貸倒引当金」が膨らんだことがあります。資金貸し出しの審査体制については、外部の専門家らの支援を受け、行員のノウハウの向上や外部の視点を取り入れて審査を強化します。そして、主な取引先である中小企業への訪問をあらためて徹底することで、ニーズとリスクの把握や対応の判断をスピーディーに行うとしています。

西塚英樹取締役「お客様の現場、工場で在庫の確認なども当然必要だが、人も減っている、時間もないという中で、私は『意識と行動を変える』と言っているが、そこは、そんな環境の中でも必ずしないといけない」

意識と行動を変えるー。西塚取締役は、頭取就任後すぐに着手したいこととして、取引先やすべての行員と直接対話すること、そして、組織風土改革に向けたプロジェクトチームを立ち上げ、行員がより力を発揮できる環境づくりを行うことを挙げました。

西塚英樹取締役「全職員の考え、意見が伝わっていたかというと、必ずしもそうではなかった。積極的に聞いて、経営に取り入れるべきものは取り入れていきたい」

プロジェクトチームは、メンバーを全行員から募集したところ、想定を超える応募があったといいます。

西塚英樹取締役「実際、私が直接、全職員に募集のメールをした。数十名が集まった。手を挙げてくれた人が数十人いたというのは、非常にうれしく、心強く思っている」

山形市出身で、きらやか銀行の前身である殖産銀行に入行し、長年、県内の企業を支えてきた西塚取締役。取引先の企業などからも期待を寄せられています。

西塚英樹取締役「頭取就任内定後、数多くのお客様とお話をする機会があったが、皆さんがおっしゃるのは『きらやか銀行にこれまで非常にお世話になった。今度は助けたい、応援したい』というお言葉をたくさんいただいている。その期待を裏切ることはできない。そういった覚悟を持ってこれからのかじ取りをしたい」

52歳の新たな頭取は固い決意を胸に、銀行の経営再建という重い舵取りを託されました。

    山形放送のニュース