ロシア軍の激しい攻撃で市民犠牲に…ウクライナ政府が批判「戦略を変えて民間人を標的」
戦闘が激しさを増すウクライナでは、ロシア軍の空爆などによる被害が拡大しています。ウクライナ政府は「民間人を標的にしている」とロシアを批判しています。
今月1日からロシア軍に包囲されている南東部のマリウポリでは、10日も激しい攻撃が続きました。マリウポリでは水や食料の不足も深刻で、地元当局によりますと民間人の死者は1200人にのぼっています。
9日には産科・小児科病院がロシア軍に空爆され、子どもを含む3人が死亡し、17人がケガをしました。しかしロシア側は、事実ではないと反論しています。
ロシア ラブロフ外相「あの病院はかなり前から過激派に占拠され、患者と看護師は全員追い出されていた」
ウクライナ ゼレンスキー大統領「ロシアはいつものように平然とウソをついている」
ウクライナ政府は、当初、軍事関連施設を狙っていたロシアが、戦略を変えて民間人を標的にしていると批判しています。
こうした中、ロシア軍が占拠し今月9日に電力が停止していたウクライナのチェルノブイリ原発について、ロシアのエネルギー当局は10日、電力の供給が可能になったと発表しました。ただ、ウクライナの原発を運営する「エネルゴアトム」は、電力の供給が可能になったことは確認できていないとしています。
一方、モスクワでは経済制裁や企業の撤退などで店舗の閉鎖が目立つようになっています。ロシア大統領府報道官は10日、「かつてない経済戦争で先が見通せない」などと影響を認めました。
しかし、プーチン大統領は対応できると強調しています。
ロシア プーチン大統領「違法な経済制裁を認めていない同盟国と協力し、ロシアはすべての問題を必ず解決する」
ただ、ロシア国内では通貨ルーブルの暴落による混乱が起きていて、さらなるインフレへの懸念も高まっています。