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北朝鮮・金正日総書記が訪中 その背景とは

2010年5月4日 2:23

 北朝鮮・金正日総書記が3日、06年以来4年ぶりに中国を訪問した。金総書記は東北部・大連に滞在していて、3日夜には、市内の滞在先とは別のホテルで中国側との夕食会に出席したとみられている。中国訪問の背景について、長谷川次郎記者が報告。

 NNNのカメラは、左足を引きずって歩く金総書記の姿をとらえている。これは、08年夏の脳の病気の後遺症とみられる。報道陣にこうした姿をさらしてまで中国訪問に踏み切った背景には、北朝鮮国内の苦しい経済事情がある。

 北朝鮮では、去年末に行った通貨改革が混乱を招き、食料不足も伝えられている。国際的に孤立を深める中で、唯一頼れる中国側から一刻も早く支援を引き出す狙いがあるとみられる。

 さらに両国の関係に影を落としているのが、3月末に韓国と北朝鮮の境界近くで沈没した韓国軍の哨戒艦をめぐり、北朝鮮の関与を疑う声が高まっていることだ。「北朝鮮が関与した」という結果が出てしまえば、中国も訪問を受け入れにくくなると考えられることから、その前に「駆け込み」で訪問したのではないかと観測されている。

 金総書記は今後、胡錦濤国家主席ら中国の指導部と会談するとみられ、どのような考えを示すかが注目される。