IAEA理事会、焦点はイランとイスラエル
国際原子力機関(=IAEA)の理事会が7日、オーストリア・ウィーンで始まった。中東のイランとイスラエルの核問題が焦点となっている。
冒頭で、天野之弥事務局長は「加盟国の中でもイランは特別だ」と位置づけ、より積極的な協力を求めた。また、理事会後、天野事務局長は「イランは国連の安全保障理事会の決議を実施していない、IAEAの理事会決議を実施していない、軍事的な意味合いのあり得る活動の解明にも応じていないなど、特殊な状況があります」と述べた。
イランは、核開発問題に関して、ウラン濃縮施設での監視体制の強化を受け入れたことなどを理由に、IAEAが懸念を示していることに反発している。さらに、今回の理事会で約20年ぶりにイスラエルの核問題が議題に取り上げられたことを引き合いに、「国際社会の脅威は自分たちではない」とけん制している。
しかし、西側諸国などは「焦点はあくまでイランだ」と非難の姿勢を崩していない。IAEAと並行してアメリカ・ニューヨークで行われている国連安保理で、イランへの追加制裁に向けた論議が進むことは避けられないとみられる。