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米・アリゾナ州の移民法 連邦裁が差し止め

2010年7月29日 19:03

 アメリカ・アリゾナ州で不法移民を取り締まる法律が成立し、29日から施行される予定だったが、裁判所は28日、オバマ政権の求めに応じ、この法律の施行差し止めを命じた。

 アリゾナ州では、不法移民が増えたことにより治安悪化が進んでいるなどとして、今年4月、「不法移民と疑う理由があれば、身柄を拘束して逮捕できる」ことなどが盛り込まれた新たな法律を成立させた。29日に施行される予定だったが、不法移民に寛容な姿勢を示すオバマ大統領は「取り締まりは連邦政府の権限だ」として、法律施行の差し止めを求め、アリゾナ州を提訴していた。

 アリゾナ州の連邦裁判所は28日、「合法な移民が誤って逮捕される可能性がある」などとして、法律の差し止めを命じた。アリゾナ州はこれを不服として控訴する方針。

 アリゾナ州の法律施行は先送りされたが、アメリカ国内では不法移民に対する不満の声が高まっている。オバマ大統領が対応を誤れば、11月に行われる中間選挙に大きな影響を与えることになる。