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ジョンウン氏、北朝鮮軍の大将に任命される

2010年9月28日 11:37

 北朝鮮・金正日総書記の三男・ジョンウン氏が28日、初めて公式に北朝鮮メディアに登場した。軍の大将に任命されたもので、後継体制の構築が表面化した形。後継者として擁立する動きが進められていたジョンウン氏の名前が対外的に公にされたのは初めて。金総書記の後継体制は、いよいよ水面下での整備から大々的に宣伝する段階に移ったと言える。

 朝鮮中央テレビは28日午前9時に「軍事称号を次のように昇格させることを命令する。『大将』に金慶喜(金総書記の妹)、キム・ジョンウン…」という命令が下されたことを伝えた。「キム・ジョンウン」氏に説明は加えられていないが、ジョンウン氏を指すことは確実とみられる。

 北朝鮮で28日に44年ぶりに開かれる朝鮮労働党の代表者会では、党の最高指導機関の選挙を行うことになっており、後継体制を決める節目となる。この重要な会議を前に、まず高い階級を与えることで、党の重要な職に就く下準備を整える意図があるものとみられる。また、軍の称号ということで、金総書記がこれまで重視してきた軍を優先する姿勢をあらためて示す狙いもあるものとみられる。

 もう一つ注目されるのは、金総書記の妹である慶喜氏が同時に大将に任命されたこと。ジョンウン氏の後見役として位置づけていることがうかがえる。

 日本時間28日午前10時現在、北朝鮮から代表者会に関するアナウンスはないが、すでに始まっている可能性がある。ジョンウン氏の名前が報じられたことで、代表者会に出席して役職に就く可能性が高まったと言え、一気に政治局の常務委員などのポストに就き、正式に後継者に決まるのかが焦点となる。