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G20サミット 経済不均衡・通貨安を協議

2010年11月12日 0:15

 韓国・ソウルで11日夜、先進国に新興国を加えた20の国と地域が世界経済について話し合うG20首脳会議が始まった。11日夜のワーキングディナーでは、世界経済の現状が議論された。標的とされている中国は激しく反論している。

 経済の不均衡をめぐっては、アメリカは先月、各国の黒字や赤字を一定の割合以内に抑える数値目標の導入を提案した。しかし、そのターゲットとされる中国は11日も反対する姿勢を明確にしている。今回はより緩やかなガイドラインを目指すことになる見通しで、首脳レベルでどこまで具体化できるかが焦点。

 一方、通貨安をめぐっては、中国は「基軸通貨発行国は世界への影響も考えるべきだ」と述べ、アメリカの金融緩和政策をけん制した。先進国と新興国の対立を和らげることができるのか、国際協調に向けての議論は12日午前中も行われる。

 菅首相としては、国際協調に向けて大きな役割を果たしたいところだが、11日は精彩を欠く印象だった。これまでに、2国間の首脳会談は11日午後10時から行われているトルコとの会談だけとなっている。菅首相は空き時間を宿舎での勉強に充てたが、12日もEU(=欧州連合)との会談が予定されるだけとなっている。菅首相としては、むしろ、横浜でのAPEC(=アジア太平洋経済協力会議)で中国やロシアとの直接会談を実現し、関係打開への糸口をつかみたいという狙いもあるとみられる。ソウルで日本が際立った存在感を示す可能性は薄いといえそうだ。