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数千人の親ムバラク派がデモ エジプト

2011年2月3日 1:45

 反政府デモが続くエジプトでは、ムバラク大統領が次の大統領選挙に出馬しないことを表明したテレビ演説から一夜が明けたが、混乱は全く収まっていない。首都・カイロでは、2日朝からムバラク大統領を支持するグループによるデモが行われている。

 大統領を支持する親ムバラク派は、2日朝から徐々に増え続け、ついに数千人に達した。親ムバラク派が大統領の即時退陣を求める「反政府」側の市民の中心地である広場になだれ込み、投石や殴り合いなど衝突が起きている。一部では死傷者が出たとの情報もある。

 こうした混乱の中、事態収拾に向けて確実に主導権を握り始めているのが軍だ。軍のスポークスマンはテレビで声明を発表し、市民に対して「君たちの思いは伝わっている」と理解を示した上で、「国の将来を考える時だ」として、冷静になるよう繰り返し求めた。軍は治安維持能力を持つ唯一の存在であるとともに、非常に市民から慕われている。さらに、アメリカ政府とも太いパイプを持っている。

 市民は、金曜礼拝が行われる4日に再び大規模な反政府デモを計画している。存在感を強める軍がどう事態を収めるのか、混乱はまだ続きそうだ。