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APEC 経済的主導権めぐり米中がしのぎ

2014年11月11日 7:01

 APEC(=アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議が中国・北京で開幕した。中国とアメリカが主に経済分野での影響力を競い合うことになる。近野宏明記者が報告。

 10日夜の歓迎行事では、日中首脳会談とは異なり習近平国家主席は、安倍首相にわずかに和らいだ表情を見せた。

 今回のAPECは21の国と地域が参加して、地域経済の連携や成長などについて話し合う。中国はアジア諸国へのインフラ投資を促進する姿勢を鮮明にする。

 習国家主席は歓迎スピーチでこんなユーモアも交えた。

 習国家主席「この数日、私が朝、最初にやることは、北京の空気を確かめ、汚染がひどくないよう期待することだ」

 アメリカは「アジア重視」の姿勢を改めて強調、地球環境やテロ対策など可能な分野では中国と歩調を合わせる姿勢を示す方針。

 オバマ大統領「アメリカは平和で安定した中国の台頭を歓迎する」

 一方、経済的な主導権を巡り両国はしのぎを削っている。アメリカは10日、北京のアメリカ大使館で中国の参加しないTPP(=環太平洋経済連携協定)の首脳会合を開催した。中国も韓国との自由貿易協定が実質的妥結に至ったと発表。アジア各国へのインフラ投資にも自国の影響力を強めたい狙いが透けてみえる。

 立場の異なる2つの大国。一定の協力は行いつつもアジアでの存在感を巡り互いにけん制し合うことになりそうだ。