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チャレンジャー号事故25年、遺族の思い

2011年2月7日 16:36

 先月28日、アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターで、スペースシャトル「チャレンジャー」号の爆発事故で犠牲になった宇宙飛行士の追悼式典が行われた。NNNは、チャレンジャー号の船長の妻を取材した。

 チャレンジャー号は86年1月、打ち上げ直後に空中で爆発し、ディック・スコビー船長を含む乗組員7人全員が死亡した。シャトル計画は中断を余儀なくされたが、その後、安全性を高めて復活した。

 遺族代表でスピーチをしたスコビー船長の妻・ジューンさんは「チャレンジャーの事故は、宇宙探査の最終章にはなりませんでした。それは、転換の章になったのです」と述べた。

 ジューンさんは、自宅近くにある「チャレンジャー・ラーニングセンター」に足しげく通っている。このセンターは、子供たちへの宇宙教育を目的にジューンさんら遺族が設立したもので、ジューンさん自らも時々教壇に立ち、子供たちにチャレンジャー号のことや宇宙開発の未来について伝えている。この日、子供たちは管制室と宇宙ステーションに分かれ、それぞれのミッションを体験した。宇宙教育を行うこのような施設は全米に48か所あり、今年もまた新しい街にオープンする。

 ジューンさんは「子供たちの姿を見られるので、何よりもセンターに行くのが好き。楽しそうに科学や数学を勉強し、夫や他の乗組員が愛していたことに真剣に取り組んでいるのを見ることができるからです。亡くなった乗組員のミッションは、子供たちを通じて続いています」と話す。

 初飛行から30年、ジューンさんが「すばらしい乗り物」と話すスペースシャトルの歴史は、今年6月にその幕を閉じようとしている。しかし、チャレンジャー号の宇宙飛行士の夢は、確実に受け継がれている。