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結婚式直前、ロイヤルカップルの素顔とは

2011年4月27日 16:34
結婚式直前、ロイヤルカップルの素顔とは

 29日に迫ったロイヤルウエディングに沸くイギリス。世界が注目するロイヤルカップル、そしてケイトさんこと、本名キャサリン・ミドルトンさんの素顔とは…ロンドン支局・大脇三千代記者が取材した。

 大学時代からの恋を実らせ、イギリス王室のプリンセスとなる日が近づいてきたキャサリンさん。キャサリンさんとウィリアム王子の若い二人に、今までにない「新しい王室」の姿を感じる人も多い。キャサリンさんを間近で見た若い女性たちは、「すごくかわいいわ!」「とても庶民的でほかの王室ファミリーとは違う」と、興奮気味に感想を語る。そんなキャサリンさんの素顔を知る人たちに会いに行った。

 イギリス南部のバークシャー州・バックルベリー。キャサリンさんが育った村だ。二人は、この村から親しい人たちを結婚式に招待した。キャサリンさんが週に2~3回は立ち寄るというコンビニエンスストアのハッシュさんとチャンさん夫婦にも突然、招待状が届いたという。「まさか自分たちが招待されるなんて」「跳び上がってね、やった!招待状だって」と、夫婦はその時の状況を楽しそうに語ってくれた。

 この店は、村の人たちでにぎわう、ごく普通のコンビニエンスストアだ。ウィリアム王子も一緒に何度か来たという。ウィリアム王子は店の中を見て回ってから、「ミント味のビエネッタはない?」と、ハッシュさんに尋ねたという。王子のお気に入りは、ミント味のアイスクリームのようだ。一方、キャサリンさんのお気に入りは、ドイツ製のキャンディだという。ハッシュさんは、「在庫を切らさないようにしているよ。いつ来るかわからないからね」と、上機嫌で語る。

 婚約発表後、夫婦が、キャサリンさんの実家にお祝いの花束を贈ると、「ステキなお花をありがとう」と、キャサリンさん本人がお礼を言いに来たという。さらに、ハッシュさんは、「キャサリンさんは婚約指輪を見せてくれました。ウィリアム王子の母・ダイアナ元皇太子妃の指輪です」と、そのときの様子を教えてくれた。チャンさんが、「すごくきれい、指輪をさわってもいい?」と尋ねると、キャサリンさんは「もちろんよ、どうぞ」と答えてくれたという。

 また、この村のパブのオーナーも結婚式に招待されている。オーナーのジョンさんは、キャサリンさんや家族とは、10年以上のつきあいになるという。今ではウィリアム王子もなじみの客となった。ジョンさんは、「ウィリアム王子は、店が混んでいない時は、暖炉に近いテーブルが好きだった」と、語る。しかし、最初にウィリアム王子が来た時は、さすがに緊張したという。ジョンさんは、その時の様子を「今、店に向かっていると電話がかかってきて、僕も店員も『どうなってるんだ?』って。でも、王子はごく普通の若者だったよ」と、振り返る。また、シェフが腕をふるって料理すると申し出たところ、ウィリアム王子が頼んだのは、フィッシュ・アンド・チップス。特別な料理ではなく、村の誰もが親しんでいる味の料理だ。地元の人は、「ウィリアム王子は私たちと変わらない普通の人。結婚しても村や店に来てほしいわ」と、語る。

 普通の感覚を持つウィリアム王子。しかし、未来の国王になる立場だ。一般家庭から王室に入るキャサリンさんは、これまでは持っていなかった「紋章」を作った。結婚後、王子の紋章と合わせて、ひとつの新しい紋章を作らなければならないからだ。キャサリンさんの紋章に描かれたのは、村に茂る「ナラの葉」と「ドングリ」。本人と家族で選んだという。ナラは、イギリスでは「力強さ」の象徴だ。

 最近、見るからにほっそりしたキャサリンさんに対して、王室に入るプレッシャーも大きいのでは、と心配する声もあがっている。しかし、招待客のひとりである精肉店のマーティンさんは、キャサリンさんにナラの木と同じ「力強さ」があると感じているという。マーティンさんは二人の将来についてこう語る。

 「王室に嫁いだら、とても大変な仕事が待っている。でも彼女は陽気で、意思の強い女性だからきっとうまくやるさ。それに、なんともお似合いのカップルだしね」

 招かれた村の人たちが見守る中、二人は29日に新たな門出を迎える。