ベトナムが南シナ海で実弾演習 中国牽制か
ベトナムの海軍は13日、南シナ海で実弾を使った軍事演習を行った。周辺の島々の領有権をめぐって対立する中国を牽制(けんせい)する狙いがあるものとみられる。
AP通信によると、演習はベトナム中部・クアンナム省の沖合約40キロの海域で、午前と午後の2回にわたり、実弾を使って行われた。海軍高官は、演習について「毎年行われる通常のものだ」と説明している。
しかし、ベトナムは、南沙諸島の領有権問題を抱える南シナ海で先月、自国の資源探査船が中国の船に活動を妨害された事件をきっかけに、中国との対立を深めている。12日には首都・ハノイの中国大使館前で通常なら禁止されるデモが行われており、今回の演習も中国を牽制する狙いがあるとみられる。
これに対し、中国外務省・洪磊報道官は14日の会見で「南シナ海における中国の立場は、明確かつ一貫したものである。関係国が地域の平和と安定に有益なことを多くやってほしい」と述べ、南シナ海での中国の主権を強調した上で、ベトナムに対して、さらに緊張を高めないよう求めた。