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ハリス氏vsトランプ氏“初対決” テレビ討論会で互いに“無策”と批判

2024年9月11日 22:11
ハリス氏vsトランプ氏“初対決” テレビ討論会で互いに“無策”と批判

11月のアメリカ大統領選挙に向けたハリス副大統領とトランプ前大統領による初めてのテレビ討論会が10日に開かれ、互いに「無策」と批判しあうなど、激しい論戦となりました。

民主党 ハリス副大統領
「カマラ・ハリスです。いい討論をしましょう」

共和党 トランプ前大統領
「会えてうれしいです」

ハリス副大統領からトランプ前大統領に歩み寄り、固い握手から始まったABCテレビ主催の討論会。7月にバイデン大統領が撤退を表明して以降、両者にとって初の直接対決となりました。

冒頭、大統領選の最大の争点とされている経済政策について問われると…

民主党 ハリス副大統領
「トランプ氏にはあなた方(中間層)のための計画はありません。彼の経済政策はすべて富裕層のための税額控除だけだ」

中間層への減税などを強調したハリス氏が、トランプ氏は“富裕層のことしか考えていない”と発言すると、トランプ氏は…

共和党 トランプ前大統領
「彼女には計画がない。バイデン大統領の計画をコピーしただけだ。(変えたのも)4つの文だけだ。『あ、減税を目指すよ』みたいに。彼女の計画を実際見てみろ、“計画”はないから」

バイデン政権の方針を引き継ぐハリス氏を「自分の計画がない」と批判。さらに…

民主党 ハリス副大統領
「これからみなさんはウソと不平不満と罵詈(ばり)雑言が詰まった、古くて飽き飽きした脚本を聞かされることになる」

ハリス氏がこの討論会で「トランプ氏がたくさんウソをつく」と発言するなど、開始直後から一触即発の雰囲気に包まれました。

その後、賛否が分かれている人工妊娠中絶の権利について問われると…

共和党 トランプ前大統領
「(ウェストバージニア州の)前知事は 赤ちゃんが生まれてから決めると言った。つまり生まれてから殺すということだ」

トランプ氏は中絶を容認する立場をとっている民主党政権について、「生まれた赤ん坊を殺すことを容認している」と発言し、2022年に中絶の権利を保障する判決を覆したことは正しかったと主張しました。

これにハリス氏は…

民主党 ハリス副大統領
「ウソ八百を聞かされることになると言ったでしょう。もしトランプ氏が再選したら、彼は連邦レベルでの中絶禁止法案に署名するでしょう」

トランプ氏が再選すれば、より厳しい制限がかけられる可能性があると主張しました。

そして、議題は急増する移民問題になりました。トランプ氏にとってはバイデン政権下で移民問題を担当していたハリス氏を攻撃する絶好のチャンスでしたが…

共和党 トランプ前大統領
「(移民たちは)犬や猫を食べている。そこに住む人々のペットを食べているんだ」

司会
「移民によってペットが傷つけられたり、負傷したり、虐待されたという申し立てについて、信ぴょう性のある報告はありません」

司会に「証拠はない」と一蹴されるトランプ氏。これにはハリス氏も…

民主党 ハリス副大統領
「極端な話ですね。これが、私が200人もの共和党員から支持を得た理由のひとつだと思います」

あきれたように笑い飛ばし、余裕を見せつけました。

さらに、ロシアによるウクライナ侵攻とパレスチナ自治区ガザ地区での戦闘をめぐっては…

共和党 トランプ前大統領
「もし私が大統領だったら、ガザ地区での戦闘もロシアによる侵攻も決して始まらなかった。彼女はイスラエルのことが大嫌いなんです」

民主党 ハリス副大統領
「そんなことは絶対ありません」

共和党 トランプ前大統領
「バイデン政権はプーチン氏と交渉するためにハリス氏を送り、その3日後に戦争が始まった」

民主党 ハリス副大統領
「この討論会の冒頭で『この男からウソ八百を聞かされることになる』といいましたが、これもそのひとつです」

過激な発言を繰り返すトランプ氏に対し、「ウソだ」と否定し終始落ち着いた様子で反論したハリス氏。非難の応酬となったこの討論会について、それぞれの支持者は…

民主党支持者
「彼女は(トランプ氏を)ノックアウトしたと思う。彼女は素晴らしかった、彼女は勝者だった」

民主党支持者
「討論会にならなかった。実際に大統領になるかもしれない候補者は1人いた。もう1人は独裁者だ、政策提案はなかった。彼は質問にひとつも答えず、彼女は具体的な政策を持っていた」

共和党支持者
「最高の討論会だったよ。トランプ“大統領”はいつも通りだった。彼は強力な国境政策と強力な経済、アメリカ第一主義にすることについてありのままに語った」

それぞれが支持する候補者を称賛した一方で…

共和党支持者
「彼女(ハリス氏)の期待は非常に低かったけど、明らかに期待以上だったと言える」

共和党支持者の中には、ハリス氏も健闘していたという見方もありました。

大統領候補の討論会は今後行われるか決まっておらず、今回が最初で最後となる可能性も。投票日まで2か月をきる中、有権者の支持はどちらに傾くのでしょうか。