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“謎の飛行物体”の正体は?――米国では「気球説」「ドローン説」も 監視レーダー強化も影響か 「日本も標的」…対応は?

2023年2月14日 10:25
“謎の飛行物体”の正体は?――米国では「気球説」「ドローン説」も 監視レーダー強化も影響か 「日本も標的」…対応は?

謎の飛行物体の撃墜が相次いでいます。正体は何なのか、なぜ今なのか。アメリカで取りざたされている説や、レーダー強化の影響を考えます。米紙によると、日本も標的になっています。官房長官は武器使用も否定しませんが、日本はどう対応するのでしょうか?

■飛行物体は何?…米国でも騒ぎに

有働由美子キャスター
「1週間あまりで撃墜された飛行物体は4つにもなります」

「最初に見つかって撃墜された気球(4日、アメリカ・サウスカロライナ州)以外に、小型車ほどの大きさのもの(10日、アメリカ・アラスカ州)、円筒型のもの(11日、カナダ)、八角形のもの(12日、アメリカ・ヒューロン湖)があったといいます」

「一体何なのか、なぜ相次いでいるのか、日本に来たらどうするのか…?」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「『これは一体何?』とアメリカでも大騒ぎになっています。当局の会見で記者が『地球外生命体の可能性は?』と尋ねました」

有働キャスター
「UFOなどですか?」

小野委員
「(他には)エイリアンなどですね。当局者は『どの可能性も排除しない』と答えました。このようなやり取りがあるほど、まだ全然分かっていません」

■高橋室長「気球か飛行船ではないか」

小野委員
「アメリカで出ている説を紹介します。ほとんどが気球だという説があります。ニューヨークタイムズは『過去366件の謎の飛行体のうち163件が気球だと後に特定された』『軍事的な偵察に使っている』と報道。このため今回も気球ではないかと言われています」

「ドローン説もあります。ニューヨークタイムズは『気球と監視ドローンの両方を中国または他の勢力が偵察用に使用している可能性がある』と伝えています」

「ただ、現代軍事戦略に詳しい、防衛省・防衛研究所の高橋杉雄室長は『もし中国だとすれば、アメリカ本土までの距離を飛ばせるドローンの技術はないと思う。一般的に考えると、気球か飛行船ではないか』と推測しています」

■気球発見で…「レーダー」設定に変化

有働キャスター
「なぜ最近になって、次々と見つかっているのでしょうか?」

小野委員
「アメリカの説明では、レーダーで領空に入ってきた物を監視していますが、これまでは戦闘機やミサイルなどを捉える設定でした。ただ今回、気球が見つかり騒ぎになったため、レーダーを強化。これにより、気球や謎の飛行物体などが次々見えてきたといいます」

「そして気になるのは、ワシントンポストが『日本も標的になっている』と指摘していることです」

■政府関係者「技術的には相当難しい」

小野委員
「(日本)政府の中には『迎撃できる』と言う人もいますが、現時点で『こうする』という対応は決まっていなさそうです。松野官房長官は『外国の気球が許可なく領空に侵入すれば領空侵犯になる』と明言しています」

「そして対応については『一概に答えるのは困難』と指摘していますが、『国民の生命、財産を守るために必要ならば』という前提で、武器を使うことも否定はしていません」

「ただ、ある政府関係者は『2万メートルの高度で風に揺られている物に、音速の戦闘機で近づいて射撃するのは技術的には相当難しい』と明かします。アメリカのように即迎撃、ということにはならなそうです」

有働キャスター
「目的が分からない物体というのが本当に不安ですし、また来る恐れもあります。米軍基地もある日本です。アメリカとの情報交換も含めて綿密にやってほしいです」

(2月13日『news zero』より)